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易経六十四卦と本書(時の物語)の関係 12

三十四.暴走しないよう自制する時  百六十二頁  雷天大壮 ☳☰
三十五.明徳を明らかにする時    百六十七頁   火地晋 ☲☷
三十六.暗君が支配する時      百七十二頁  地火明夷 ☷☲

三十四雷天大壮 ☳ ☰ 震上乾下  暴走しないように自制する時 百六十二頁
 天山遯☰☶がひっくり返って雷天大壮☳☰になると、衰運から大盛運へと一転する。自分が衰運の時には相手は大盛運であり、相手が衰運の時には自分は大盛運である。自分と相手が対立している場合に当て嵌まる。対立している人や組織が戦うと、勝った人や組織がそれがきっかけとなり盛運に入り、負けた人や組織がそれをきっかけに衰運に入って行く。

三十五火地晋(かちしん) ☲ ☷ 離上坤下  明德を明らかにする時 百六十七頁
 火地晋は下卦坤☷の大地の上に上卦離☲の太陽が燦々と輝いている。誠に穏やかで、初冬の小春日和のように平和な時である。
 火地晋☲☷がひっくり返ると綜卦の地火明夷☷☲になる。大地の下に太陽が沈んで暗黒の世となる。太陽は天地宇宙や人間にとってなくてはならない存在である。易経の基本原理は太極の中に陰陽混在しているところから始まる。太陽は陽の象徴であり、大地は陰の象徴である。だから大地の上に太陽が在って大地を燦々と照らしているときは平和で何事も安定しており物事が成就する。けれども、太陽が大地の下に沈んで大地を照らさなくなれば平和は乱れて何事も不安定となり物事は成就しなくなる。

三十六地火明夷(ちかめいい) ☷ ☲ 坤上離下  暗君が支配する時 百七十二頁
 地火明夷は異常事態である。考えようによっては四大難卦よりも辛い時である。六十四卦の中で最も困難な坎為水☵☵の時でも、乗り越えれば将来が開けることが約束されているが、地火明夷の時を乗り越えても異常事態が正常な状態に戻るだけで将来が開けるわけではない。よって、六十四卦の中で地火明夷の時ほど辛くてやりきれない時はない。