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時の物語(易経短編小説集・近日中に出版予定)21

二十.立派な人を見習う時

 次は「立派な人を見習う時」の物語である。あらゆる人や組織には盛衰の循環の中にある。時には盛運の時もあるが、衰運の時もある。「立派な人を見習う時」にある人や組織は衰運の真っ只中に在り、しばらくは衰運の時は終わらない。しかし、衰運はいつまでも続かない。やがて下限に到達すれば再び盛運に向かって行く。「立派な人を見習う時」は衰運を下限に到達させ、盛運に向かって行くためにある。衰運の真っ只中に在る人や組織は「立派な人を見習う」ことが大切である。誰でもどんな組織でも盛運の循環の中に在る。もしあなたが衰運の真っ只中に在る時は「立派な人」を見習ってみたらどうだろうか。

 「立派な人を見習う時」の主人公は、「十九.刷新する時」の日本で高校入学したばかりの「あなた(わたし)」である。

 わたしは平成二十一年生まれの十五歳。今年の春高校に入学したばかりだ。学校の勉強は数学や物理などは理系の科目は苦手だが、国語や歴史などの文系の科目は得意だ。特に歴史の勉強が大好きだ。世界史も面白いが、日本人なのだから日本史が断トツ面白い。共に暗記科目なので勉強すればするほどテストで高得点が取れる。だから中学時代は歴史のテストはほとんど百点だった。高校に入ってからは歴史の授業は「歴史総合」「世界史探究」「日本史探究」の三つとなり、「歴史総合」は必修科目で、「世界史探究」「日本史探究」は選択科目なので、わたしは必修科目の「歴史総合」と選択科目の「日本史選択」を学ぶことになった
 わたしは日本史が大好きなので日本史探究の事業は目を皿のようにして臨んでいる。だが、勉強すればするほど、どうしても納得できないことがある。わたしは本好きで日本史に関する本は沢山読んでいる。ベストセラー作家の百田尚樹さんの「日本国紀」(幻冬舎)にも、明治天皇の玄孫の竹田恒泰さんの「天皇の国史」(PHP)にも、戦前の日本史を復刻した「〔復刻版〕高等科國史」(ハート出版)にも、日本最古の神話「古事記」にも、同じく日本最古の歴史書「日本書紀」にも、日本の国を肇められた神武天皇のことが書いてある。だが、高校で学ぶ「日本史探究」の教科書には神武天皇は登場しない。それどころか、萬世一系で連綿と続く歴代天皇についての記述があまりにも少ない。「どうしてだろう?」と思って先生に聞いても、父と母に聞いても、「そうねぇ。どうしてなのかねぇ。」とはっきりしない。「どうして学校で日本の国を始められた神武天皇が登場しないのだろう?」「そもそも自国の歴史をどうして日本史と客観視するのだろう。自国の言語は国語と言うのに国史と言わず、日本史と言うのはなぜだろう。戦前は国史だったいたのに、なぜ今は日本史なのだろう?」不思議なことだらけだ。考えれば考えるほど疑問が湧いてくる。以下省略。