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時の物語 周易六十四卦 校正 10

二十一.異物を除き去る時

 大きく口を開けて欠伸をしている時、虫が飛んできて口の中に入ったら、あなたは慌てて虫を除き去るだろう。人や組織が何かに取り組んでいる時に、異物が立ちはだかって邪魔をすることがある。邪魔する異物は除き去るしかない。除き去らなければ前に進めない。それが「異物を除き去る時」だ。人や組織が何かに取り組もうとすると、異物が立ちはだかって邪魔することがある。邪魔する異物はできるだけ早く除き去るしかない。除き去るのが遅くなるほど異物は大きくなり、放置すれば除き去ることができなくなる。
 人生や仕事には様々な異物が立ちはだかって邪魔をする。できるだけ早く異物を除き去ることが大事である。

 「異物を除き去る時」の主人公は小中学校の先生として多くの子供たちに慕われて定年を迎えた「あなた(わたし)」である。

 わたしは祖父母も父母も教師という教師一家に育ち、自らも小中学校の教師として四十年近く多くの子供たちに接してきた。今年の春に定年を迎えて、今は悠々自適の余生を送っている。生活には不自由しない程度の預金もあり、六十五になれば年金も頂ける。働く必要もなく自由になる時間がたっぷりあるので、これまでの教師生活を振り返って自伝を書くことにした。わたしは教え子に慕われていたので卒業後も教え子と交流があった。数多くの教え子の中で印象に残る子供が二人いた。その子供たちとの交流を自伝として書くことにした。以下省略。

二十二.外面を飾る時

 素のまま生きていくことは容易ではない。外面を飾り繕うから生きていける。希望する学校や会社の面接を受ける時は、誰もが外面を飾って臨む。外面を飾らない人はいない。お洒落すること、学歴を重ねること、勤め先や結婚相手を選ぶこと、全て外面を飾ることである。多かれ少なかれ外面を飾るから幸せに生きていける。全く外面を飾らずに生きていけるのは修行して悟りを得たお坊さんぐらいである。
 だが、何事も外面を飾るだけでは大成しない。内面が伴ってこそ充実した人生を送れる。外面を飾る限界を知って質素に生きていくことが本当の幸せな生き方ではないだろうか。

 「外面を飾る時」の主人公は裕福な家庭に生まれて何一つ不自由なく生きてきた「あなた(わたし)」である。

 裕福な家に生まれたわたしは働き者の父と優しい母に見守られて何一つ不自由なく生きてきた。学校の勉強も好きだった。友達にも恵まれていた。悩み一つなく大学まで進学した。容姿にも自信があった。男の子にもモテた。生まれつき頭も良かった。成績も優秀だった。仕送りも沢山あった。欲しい物は何でも手に入れた。恋人もすぐできた。男友達も沢山いた。毎日が楽しかった。大学時代はあっという間に過ぎて就職することになった。容姿端麗で成績も良かったわたしはストレートで希望する会社に入った。社会に出てからも学生時代と同じように毎日が楽しかった。以下省略。