四十三.暗君を葬り去る時
世(社会・組織)に君臨してきた名君(素晴らしいトップやリーダー)が長年その地位にあり続けて、気が付くと暗君(自分勝手なトップやリーダー)に変貌して、世(社会・組織)を苦しめていることがある。元々は名君だったから暗君になったことに気が付かない人も多く、この状態が長く続くと世の中は段々おかしくなっていく。嘗ても名君が暗君に変貌してしまったことを誰かが世(社会・組織)に知らしめて、暗君を葬り去らなければ、世の中は知らず知らずに崩壊してしまうのが「暗君を葬り去る時」である。
「暗君を葬り去る時」の主人公は、戦後日本の歪んだ教育を正すために、民間教育機関を立ち上げて世のため人のために尽くしてきた「あなた(わたし)」である。
わたしは両親とも自衛官の家に産まれ、「世のため人のために生きよ。自分のために生きるな」という厳しい教育を受けたので、小学生の頃から今の学校教育は間違っていると感じていた。「個性を伸ばせ」とか「自分らしく生きろ」とかいう教育方針は根本的に間違えていると思っている。国家のために命をかけて仕事をしている両親のことを心から尊敬しているので、防衛大学校で学び幹部自衛官としての道を歩んでいた。三十半ばの時に東日本大震災が起こり救済活動に従事したが、もし米国の支援がなければ火事場泥棒のような中国に侵略されかねなかった無防備な国家体制に危機感を持った。わたしがこのまま自衛官として勤務し仮に統合幕僚長になったとしても、国防意識が高い国民に支えられていなければ、国を守ることはできないと思うようになった。そこで、思い切って自衛隊を辞めて「世のため人のために生きよう」という志を持っている若者を対象に「人間の生き方や考え方」を教え、わたしたちが国やご先祖さまに支えられて生かされていることを自覚した若者を増やして、国を守ることを世の中に啓蒙していこうと決意した。
自衛官時代に匿名で動画配信をしていたので、その経験とノウハウを活かして「天命塾」というチャンネルを立ち上げ、啓蒙動画を配信して塾生を募集することにした。幸いわたしと同じように「世のため人のため尽くしたい」と思っている若者は予想以上に多く五十名が塾生として応募してきた。月一万円の会費を頂き受講期間を一年間として「天命塾」を開講したのである。以下省略。