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易経六十四卦と本書(時の物語)の関係 7

十九.どんどん進む時        九十六頁    地澤臨 ☷☱
二十.立派な人を見習う時      百頁      風地観 ☴☷
二十一.異物を除き去る時      百五頁    火雷噬嗑 ☲☳

十九地澤臨 ☷ ☱ 坤上兌下  どんどん進む時 九十六頁
 地澤臨は陰陽消長卦の一つである。衰運の極み(一ヶ月の日照時間が一番短くなる十一月下旬から十二月下旬)坤為地☷☷を経て、盛運の流れに変わる(冬至を迎え段々日照時間が長くなっていく)地雷復☷☳(十二月下旬から一月下旬)を迎え、春の息吹を感じる地澤臨☷☱(一月下旬から二月下旬)となる。
 地雷復の時は日照時間が長くなり始めたとはいえ、寒さは益々厳しくなる。地澤臨の時は二十四節気の最後「大寒(一月下旬から二月初旬)」を過ぎると、二十四節気の最初「立春(二月初旬から中旬)」となり春の気配が漂い始める。いよいよ盛運が軌道に乗ってくるのである。

二十風地観 ☴ ☷ 巽上坤下  立派な人を見習う時 百頁
 風地観も陰陽消長卦の一つである。衰運真っ盛り(天風姤☰☴→天山豚☰☶→天地否☰☷→風地観☴☷)で、どんどん墜ちていく時だが、閉塞・逼迫してどうにもこうにもならなかった天地否の時と比べると、外部環境は更に悪化しているものの、先行きに希望が見えてくる(国の光を観る)時である。
 風地観の時に希望が見えてくるのは、五爻と上爻が範を示すからである。日本の国体に当て嵌めると五爻は今上陛下、上爻は歴代天皇である。

二十一火雷噬嗑 ☲ ☳ 離上震下  異物を除き去る時 百五頁
 火雷噬嗑☲☳を理解するためには、山雷頤☶☳を踏まえておく必要がある。山雷頤は上爻と初爻が陽爻で他は全て陰爻である。上卦☶を上顎、下卦☳を下顎と見立てるから、上爻は上唇(うわくちびる)あるいは上の歯、初爻は下唇(したくちびる)あるいは下の歯である。口をあんぐりと大きく開けて真ん中が空洞になっている形が山雷頤である。
 火雷噬嗑は山雷頤が口をあんぐり開けている空洞に異物が入り込んだ形である。異物は九四の陽爻である。この異物を除去しないと物事が成就しない。