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易経(周易)を読み解く 八九(山天大畜 四五上)

六四 ―‥‥ ――― (山天大畜)之卦 十四火天大有
六四。童牛之牿。元吉。
○六四。童(どう)牛(ぎゆう)の牿(こく)なり。元(げん)吉(きつ)。
 六四は柔順正位の大臣。陽剛を止めて養う大畜の時に中(あた)り、幼(よう)牛(ぎゆう)の角(つの)に横木を付けて人を害するのを防ぐために、正応初九が妄進しないように畜止する。
 微力な段階で悪(私利私欲に囚われること)を畜止できれば、初九は悪から遠ざかって善に遷(かえ)り、人德を磨いて大いに社会に貢献する(世のため人のために尽くす)。
象曰、六四元吉、有喜也。
○象に曰く、六四元(げん)吉(きつ)とは、喜び有る也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。初九が私利私欲に囚われなければ悪から遠ざかって善に遷(かえ)り、人德を磨いて社会に貢献する(世のため人のために尽くす)。
 治国の理想的な在(あ)り方であり、天下萬(ばん)民(みん)上下君(くん)臣(しん)皆(みな)喜ぶ(幸せになる)のである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)地位と時を得て、何事も自由自在。大いに吉運を得る。
○幼い牛の段階で、相手を防ぐことが容易にできる。善き吉運である。
○相手の要求を拒んで、争うことになる。

六五 ―‥‥ ――― (山天大畜)之卦 九風天小畜
六五。豶豕之牙。吉。
○六五。豶(ふん)豕(し)の牙(が)なり。吉(きつ)。
 六五は柔順中正の天子(トップ)である。豚(ぶた)の子を杭(くい)に繋(つな)いで妄(もう)進(しん)を制止するように、正応九二を畜(ちく)止(し)して人德を修養させる。
 陽剛九二は自ら車輪を外して德を修め、天下国家のため(世のため人のため)に力を尽くし、六五は天子(トップ)としての役割を全うする。
象曰、六五之吉、有慶也。
○象に曰く、六五の吉(きつ)は、慶(よろこび)有る也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。六五の天子(トップ)は豚(ぶた)の子を杭(くい)に繋(つな)いで妄(もう)進(しん)を制止するように、正応九二を畜(ちく)止(し)して、人德を修養させる。
 九二は自ら車輪を外して德を修め、天下国家のため(世のため人のため)に力を尽くし、六五は天子(トップ)としての役割を全うする。その成果は、六五の天子(トップ)と陽剛九二のみならず、天下国家(国民)の慶びとなる。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)地位が最も高い(君位に在る)。剛健な性質を具えた賢臣を使役するに中り、子豚を杭(くい)に繋げば、子豚の妄進を制止することが簡単なように、吉運の時である。
○相手の勢いを制止できれば、相手に牙(きば)があっても、大きな騒ぎを制御できる。
○天下の悪(巨悪)は、力だけでは制止できないと認識すべきである。

上九 ―‥‥ ――― (山天大畜)之卦 十一地天泰
上九。何天之衢。亨。
○上九。天の衢(ちまた)を何(にな)う。亨(とお)る。
 上九は大畜の卦極(陽剛を止め蓄え養い世のため人のために尽くした時)に居て人德を修養した下卦三陽の賢人を用いて治国平天下を実現する(世の人々を幸せにする)。
 上九が天の広大無辺な(滅私奉公の)道を担って、下卦三陽の賢人が縦(じゆう)横(おう)無(む)尽(じん)に活動するので、何事も成就するのである。
象曰、何天之衢、道大行也。
○象に曰く、天の衢(ちまた)を何(にな)うとは、道(みち)大いに行われる也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。上九が天の広(こう)大(だい)無(む)辺(へん)な道を担って、下卦三陽の賢人が縦横無尽に活動するので、何事も成就する。畜止を終えた大畜の卦極(陽剛を止め蓄え養い世のため人のために尽くした時)に居て、天の道が大いに行われるのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)昔、圧力を受けて制止させられたのは、自分が世事に通じていなかったからだと悟るべきである。今上陛下(と天皇を補佐する指導者たち)は、現在、よく賢人を尊敬して、その提言をよく聞き入れ、広く人材を集めて話し合いを行い、国益になる事項は遅れることなく速やかに決行しておられる。天のように、小事に妨げられない時。
誠にこのような世の中であるから、新聞も一変して、道德の大切さを啓蒙し、偏った批判などは紙上から一掃された。
民衆が天の道を上に戴いて、恥ずかしいことをしなくなる時である。
○大畜の抑制が行き渡り、何事も成就する時である。
○時が到来するのを待って、志を実現する時である。
○賢くて人德を具えた人は、社会的地位や経済的利益を得て、吉運が開ける時。
○あらゆることが矛盾して、事を違える時である。