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易経(周易)を読み解く 百二四(火澤睽 四五上)

九四 ―‥― ‥―― (火澤睽) 之卦 四一山澤損
九四。睽孤。遇元夫、交孚。厲无咎。
○九四。睽(けい)孤(こ)なり。元(げん)夫(ぷ)に遇(あ)い、交(こも)々(ごも)孚(まこと)あり。厲(あやう)けれども咎无し。
 九四の大臣(六五の側近)は剛陽不中正(陽爻陰位)で志がねじ曲がっている。応じる関係にある初九とは剛陽同士で応じない。そこで、比する六五と六三に近付こうとするが、六五は九二と正応、六三は上九と正応なので相手にされずに、孤立無援となる。
 やがて己の志がねじ曲がっていたことを反省して、初九の賢人に面会し、お互い真心をもって交わり親しくなる。危ない立場にあったが、自ら反省したので咎を免れる。
象曰、交孚、无咎、志行也。
○象に曰く、交(こも)々(ごも)孚(まこと)あり咎无しとは、志行わるる也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。お互い真心をもって交わり親しくなる。危ない立場にあったが、自ら反省したので咎を免れる。ねじ曲がっていた志(邪心)が自ら反省して真っ直ぐな志に改心したので、志に沿って正しい(道德的な)道を歩むようになるからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)地位は高いが、縁者は少なく、自己中心的なので、下々に嫌われて孤立無援。心配事は絶えずに不満も多い。
○真心を大事にして、柔和に人と接すれば、その人德に惹かれて、支援してくれる人が現れる。
○部下に助けられる(部下の支援を得る)時である。

六五 ―‥― ‥―― (火澤睽) 之卦 十天澤履
六五。悔亡。厥宗噬膚。往何咎。
○六五。悔(くい)亡(ほろ)ぶ。厥(その)宗(そう)、膚(ふ)を噬(か)む。往(ゆ)きて何の咎(とが)あらん。
 六五の天子(トップ)は賢臣九二と正応の関係だが、お互いに背(そむ)き合う睽の時なので直ぐに親しむことができない。志がねじ曲がった九四の大臣(側近)に邪魔されて、公の席で九二と腹を割って話すことができないのである。それゆえ後悔することが多いはずだが、自ら率先して九二の賢臣と横町で会見し、柔らかい肉を噬(か)むように深く交わり和合するので、後悔することがなくなる。事を進めて何の問題があろうか。
象曰、厥宗噬膚、往有慶也。
○象に曰く、厥(その)宗(そう)、膚(ふ)を噬(か)むとは、往(ゆ)きて慶(よろこび)有る也。
 小象伝は次のように言っている。六五の天子(トップ)が自ら率先して九二の賢臣と横町で会見し深く交わり和合するから、事を進めても大いなる喜びがあるのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)賢い部下に助けられて、困難な事に対処する時である。
○政府や官邸のような公的な機関が、神社の境内に出張所を設けて、夜中であっても機密情報を入手しようとする。爻辞に「主(しゆ)に巷(ちまた)に遇(あ)う。咎(とが)なし。六五の天子が横町の陋(ろう)屋(おく)に出向いて九二と謁(えつ)見(けん)する。お互いに志を通じ合う」とある二爻と応じているからである。

上九 ―‥― ‥―― (火澤睽) 之卦 五四雷澤歸妹
上九。睽孤。見豕負塗、載鬼一車。先張之弧、後説之弧。匪寇婚媾。往遇雨則吉。
○上九。睽(けい)孤(こ)なり。豕(いのこ)が塗(どろ)を負い、鬼を載(の)すこと一(いつ)車(しや)なるを見る。先には之(これ)が弧(ゆみ)を張り、後には之が弧(ゆみ)を説(と)く。寇(あだ)に匪(あら)ず婚(こん)媾(こう)なり。往きて雨に遇えば則(すなわ)ち吉。
 上九は睽の極致で猜疑心が強く人に背(そむ)くこと甚だしい。応じる六三のみならず、比する六五も上九を受け入れないので、孤立無援である。上九は六三を豚が泥を背負っているように汚らわしく思い、六三が乗っている車には汚らわしい幽霊が沢山いるように見えている。そこで、弓を射って六三を殺そうとするが、冷静に六三を観察してみたら誤解していたことに気付き、弓を射るのをやめる。六三は汚らわしくなどない。理想的な結婚相手である。六三と結婚すれば子宝を得て幸運を招き寄せる。
象曰、遇雨之吉、群疑亡也。
○象に曰く、雨に遇うの吉は、群(ぐん)疑(ぎ)亡(ほろ)ぶれば也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。六三は理想的な結婚相手である。六三と結婚すれば子宝を得て幸運を招き寄せる。六三のことを誤解していたことに気付き、親しみ和して、互いに疑念が消滅するのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)上に立ちながら、下々の心情を知らない。人を疑うことなく、誠実な気持ちで、多くの人々とお付き合いすべきである。
○誠実な気持ちで、多くの人々とお付き合いできれば、今までは苦手だった人とも、打ち解けて合って、親しくお付き合いできる。
○時間をかければ事を成し遂げられる。何事も急いではならない。
○理屈を言ったり、相手を論破してはいけない。慎みなさい。