六四 ―‥‥ ―‥― (山火賁) 之卦 三十離爲火
六四。賁如、皤如、白馬翰如。匪寇婚媾。
○六四。賁(ひ)如(じよ)たり皤(は)如(じよ)たり、白(はく)馬(ば)翰(かん)如(じよ)たり。寇(あだ)するに匪(あら)ず婚(こん)媾(こう)するなり。
六四は下卦離(文明と明智)を離れて上卦艮(止まる)の始め、質素に復る時である。柔正の德を得て大臣(側近)の位に在り、剛健初九と力を合わせて華美に過ぎる風俗を白生地のように改めようとする。徒歩で貧賤の位に服している初九を求める六四の思いは切実であり、白馬に乗って初九のところへ馳せ参ずる。
比する九三を仇(あだ)のように憎んでいるのではない。初九と一緒になって共に力を合わせ、華美に過ぎる風俗を(文飾から質素へ)改めようとしているのである。
象曰、六四當位疑也。匪寇婚媾、終无尤也。
○象に曰く、六四は位(くらい)に當(あた)りて疑う也。寇(あだ)するに匪(あら)ず婚(こん)媾(こう)するなりとは、終(つい)に尤(とが)无(な)き也(なり)。
小象伝は次のように言っている。質素に復る時の始めに居る六四は陰爻陰位の正位だが、華美に過ぎる風俗をどのようにして質素に改めればよいかと迷っているのである。
比する九三を仇(あだ)のように憎んでいるのではない。共に力を合わせて、華美に過ぎる風俗を質素に改めようとしているのである。初九と力を合わせて、文飾から質素へと方向を改めるので、終には咎を免れるのである。
【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇陽剛九三は、陰柔六四が自分よりも高い位に居ることを羨ましく思い、六四に結婚を申し込む。九三は六四を憎んでいるわけではない。六四が結婚を承諾すれば、終には咎なきを得る。
○六四と応爻である初九が、共に飾り合って志を同じくする時である。
以下省略。次の書籍をご覧ください。