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易経(周易)を読み解く 百二三(火澤睽 初二三)

2021年12月10日

初九 ―‥― ‥―― (火澤睽) 之卦 六四火水未濟

初九。悔亡。喪馬勿逐。自復。見惡人无咎。
○初九。悔(くい)亡ぶ。馬を喪(うしな)う。逐(お)ふ勿(なか)れ。自(おのずか)ら復(かえ)る。惡(あく)人(にん)を見れば咎(とが)无(な)し。
 正位(陽爻陽位)の初九は泰然と構えて軽々しく動かないので、最下に居ても後悔することはない。応ずる位置関係にある不正(陽爻陰位)の九四を追いかけてはならない。
 不正の悪人九四はやがて己の言行を悔改めて、初九のところへやって来る。初九は九四を拒まず寛大に受け入れるので、咎められない(初九には何の落ち度もないのである)。
象曰、見惡人、以辟咎也。
○象に曰く、惡人を見るは、以て咎(とが)を辟(さ)くる也。
 小象伝は次のように言っている。初九が九四を拒まず寛大に受け入れるのは、初九には何の落ち度もないが、面会を拒んで、九四に逆恨みされることを避けるためである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇善からぬ上司や先輩から声をかけられることがある。善い事ならば従うべきだが、悪い事ならやんわりと断り従ってはならない。孔子は南子や陽貨から声をかけられても、やんわりと断り従わず、災難を招き寄せることを回避した。
○昔から賢者が悪人から声をかけられ、強く拒絶して災難を招き寄せたことが少なくない。慎むべきである。
○物事を受け容れることができないことが原因となり、とんでもない災難を招き寄せ、過失を犯し後悔することになる。

以下省略。次の書籍をご覧ください。