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易経(周易)を読み解く 九一(山雷頥 初二三)

2021年12月4日

初九 ―‥‥ ‥‥― (山雷頥) 之卦 二三山地剝

初九。舍爾靈龜、覿我朶頤。凶。
○初九。爾(なんじ)の靈(れい)龜(き)を舍(す)て、我(われ)を覿(m)て頤(おとがい)を朶(た)る。凶。
 初九は剛健正位で才德(才能と道德心共に)高いが、地位は卑しく(最下に在り)、下卦震(動)の主爻なので上に進もうとしている(六四と応じている)。自分には貴重で優れた才德(才能と道德心)があるのに、それを活かすことを放棄して、天子の師として君臨する頤の主爻上九を羨(うらや)ましく思い、下顎を垂れて涎(よだれ)を流す。
 素行自得して己を養い、貴重で優れた才德(才能と道德心)を活かして人(比する六二や応ずる六四)を養育するべきなのに、上九を羨ましく思い下顎を垂れて涎(よだれ)を流している。これでは全く、お話しにならない。
象曰、覿我朶頤、亦不足貴也。
○象に曰く、我を覿て頤(おとがい)を朶(た)るとは、亦(また)、貴(たつと)ぶに足らざる也。
 小象伝は次のように言っている。初九は素行自得して己を養い、貴重で優れた才德(才能と道德心)を活かして人(比する六二や応ずる六四)を養育することができる。なのに、天子の師として君(くん)臨(りん)する上九を羨(うらや)ましく思い、下(した)顎(あご)を垂れて涎(よだれ)を流している。どんなに才德(才能と道德心が共に)高くても、このような有様では全くお話にならない。もはや、貴ぶには及ばないである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇社会や組織の下層に居て、例え経済的に裕福になっても、満足しない。もっともっとと欲を出し、贅沢三昧を堪能しようとするから、禍(人災)を招く。地方の豪商が祖先から長年続いている事業を大事にせず、平凡な能力しかないのに、役人になることを望む。そのような人が、お国のために力を尽くすはずがなく、役人になって権力を手にすることを望む。人と利益を競うべきではない。この時に処するに、以上のあり方を反面教師にすべきである。
○自分の利益を優先しようと考える。 ○気持ちがフラフラして、何も手に付かない。
○自分の才能と能力を過小評価して、人に頼って働こうとしない。人から批判される。

以下省略。次の書籍をご覧ください。