毎日連載! 易経を中心に日本の心に関する情報を毎日アップしています。

易経(周易)を読み解く 九二(山雷頥 四五上)

六四 ―‥‥ ‥‥― (山雷頥)之卦 二一火雷噬嗑
六四。顚頤吉。虎視眈眈。其欲逐逐。无咎。
○六四。顚(さかしま)に頤(やしな)わる。吉。虎(こ)視(し)眈(たん)眈(たん)たり。其(そ)の欲(よく)逐(ちく)逐(ちく)たり。咎(とが)无(な)し。
 六四は陰柔正位で大臣(六五の側近)の地位に在(あ)る。本来、上の者が下の者に養われるのは逆さまであるが、大臣(六五の側近)の任務を全うすべく陽剛初九の補佐(指導)を得れば、大臣としての役割を果たすことができる。
 大臣(六五の側近)として虎のような威厳を保ちつつ、猛(たけ)からぬ態度で陽剛初九に接し、徐々に間(かん)断(だん)なく大臣(六五の側近)としての自らを養うべく、陽剛初九の補佐(指導)を得て大臣(六五の側近)としての職責を全うすれば、誰からも咎められることはない。
象曰、顚頤之吉、上施光也。
○象に曰く、顚(さかしま)に頤(やしな)わるるの吉は、上の施(ほどこ)し光(おおい)なる也。
 小象伝は次のように言っている。六四が大臣の任務を全うするために虎のような威厳を保ちつつ、猛(たけ)からぬ態度で陽剛初九に接し、初九の補佐(指導)を得れば、大臣としての使命を全うすることができる。すなわち、天下萬(ばん)民(みん)に恩(おん)沢(たく)を施(ほどこ)すことができるのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)外に向かっては、威厳を具えて、大衆の心を信服させ、内に向かっては、心和らぎ、柔順に民の感情を治めることが肝要である。
○市場のような所で交易すると、それぞれが利益を得る。
○志を達成するために、人に願いを託すと、相手も自分も利益を得るために謀(はかりごと)を行なう。
○四爻から上は、人德と大義を養う人である。柔順な性質で上の位に正しく居て、応ずる初爻も正しく、初爻の助けによって四爻は天下に恩沢を施す。下に助けられるのは逆さまだが吉運である。
○心を働かせることが必要な時。 ○智恵と人德を具えた人に随う時。

六五 ―‥‥ ‥‥― (山雷頥)之卦 四二風雷益
六五。拂經。居貞吉。不可渉大川。
○六五。經(つね)に拂(もと)る。貞(てい)に居(お)れば吉。大川を渉る可からず。
 六五は柔中の德を備えた天子(トップ)だが、陰柔なので天下萬(ばん)民(みん)を養う力がない。比する側近六四も応ずる六二も陰柔で役に立たないから、師と仰ぐ陽剛上九の指導を受ける。天子(トップ)の常(じよう)道(どう)には悖(もと)ることであるが、正しい道(自分の心には人德を、民衆には仁德を養うこと)を固く守って師の教えに順えば天下萬民を治めることができる。
 但し、陽剛上九の指導を受けなければ天下萬民を養う力がないのだから、大(たい)川(せん)を渉(わた)るような危険を冒してはならない。
象曰、居貞之吉、順以從上也。
○象に曰く、貞に居るの吉(きつ)は、順にして以(もつ)て上に從(したが)えば也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。陰柔の天子(トップ)六五が、天下萬(ばん)民(みん)を治めることができるのは、君位(組織のトップの地位)に在(あ)って権力を有している六五が、柔順な態度で師(陽剛上九)の教えに従うからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)本業を堅固に守って、素行自得を肝要とする。欲を出して、新たに大事業に取り組めば、徒(いたずら)に財産を失うことになる。何事も目上の智者に質問して、綿密に事を処すべき時である。
○陰柔にして尊位に居り、人を養うことができない。上九に養ってもらう。上に師匠が存在する。自分が足りないところを上に居る師匠に順い補ってもらう。吉運であるが、その志は柔弱である。
○尊敬されているが、心の中に不安がある。

上九 ―‥‥ ‥‥― (山雷頥)之卦 二四地雷復
上九。由頤。厲吉。利渉大川。
○上九。由(よ)りて頤(やしな)わる。厲(あや)うけれども吉。大川を渉るに利し。
 頤は萬物を養う時だが、養う力があるのは陽剛の上九と初九のみである。初九は位が低く力を十分に発揮できないので、上九が天子(トップ)を指導して天下萬民を養う。
 極めて危うい任務であるが、畏(おそ)れ慎み時に中(あた)れば幸福を招き寄せる。上九は上卦艮の極点だから、止まる時は終わり開けていく時が始まったのだ。上九が天子(トップ)を直接指導して天下萬民を養うならば、大(たい)川(せん)を渉るような危険を冒しても宜しい。
象曰、由頤、厲吉、大有慶也。
○象に曰く、由りて頤わる、厲うけれども吉とは、大いに慶び有る也。
 小象伝は次のように言っている。上九は天子(トップ)を指導して天下萬民を養う。極めて危うい任務であるが、畏(おそ)れ慎(つつし)み時に中(あた)れば幸福を招き寄せる。上九が天子(トップ)を直接指導して天下の艱難を救えば、天下萬民大いに慶ぶのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)天から授かった才能を有する国家の顧問である。心身共に国家に尽くして、治国平天下を実現させる。賢人の運氣が盛んになる時。
○養うところが正しいので、やがては吉運に恵まれる。
○智謀を養って、終には功を成し遂げる。
○至高の地位は危険である。功を成し遂げ、名声を手にして引退する。
○親戚や知人などを憐れんで、養うことがある。
○鬱憤を晴らすという理屈が通る時である。
○変じて「地雷復」となれば、人の保護を頼って幸せを得る。
○志を実現しようとして、方針を誤ることがある。よく考えてから行なうべきである。