六四 ―‥‥ ‥‥― (山雷頥) 之卦 二一火雷噬嗑
六四。顚頤吉。虎視眈眈。其欲逐逐。无咎。
○六四。顚(さかしま)に頤(やしな)わる。吉。虎(こ)視(し)眈(たん)眈(たん)たり。其(そ)の欲(よく)逐(ちく)逐(ちく)たり。咎(とが)无(な)し。
六四は陰柔正位で大臣(六五の側近)の地位に在(あ)る。本来、上の者が下の者に養われるのは逆さまであるが、大臣(六五の側近)の任務を全うすべく陽剛初九の補佐を得れば、大臣としての役割を果たすことができる。
大臣(六五の側近)として虎のような威厳を保ちつつ、猛(たけ)からぬ態度で陽剛初九に接し、徐々に間(かん)断(だん)なく大臣(六五の側近)としての自らを養うべく、陽剛初九の補佐を得て大臣(六五の側近)としての職責を全うすれば、誰からも咎められることはない。
象曰、顚頤之吉、上施光也。
○象に曰く、顚(さかしま)に頤(やしな)わるるの吉は、上の施(ほどこ)し光(おおい)なる也。
小象伝は次のように言っている。六四が大臣の任務を全うするために虎のような威厳を保ちつつ、猛(たけ)からぬ態度で陽剛初九に接し、初九の補佐を得れば、大臣としての使命を全うすることができる。すなわち、天下萬(ばん)民(みん)に恩(おん)沢(たく)を施(ほどこ)すことができるのである。
【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇外に向かっては、威厳を具えて、大衆の心を信服させ、内に向かっては、心和らぎ、柔順に民の感情を治めることが肝要である。
○市場のような所で交易すると、それぞれが利益を得る。
○志を達成するために、人に願いを託すと、相手も自分も利益を得るために謀(はかりごと)を行なう。
○四爻から上は、人德と大義を養う人である。柔順な性質で上の位に正しく居て、応ずる初爻も正しく、初爻の助けによって四爻は天下に恩沢を施す。下に助けられるのは逆さまだが吉運である。
○心を働かせることが必要な時。 ○智恵と人德を具えた人に随う時。
以下省略。次の書籍をご覧ください。