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易経(周易)を読み解く 百六十(火風鼎 四五上)

2021年12月18日

九四 ―‥― ――‥ (火風鼎) 之卦 十八山風蠱

九四。鼎折足。覆公餗。其形渥。凶。
○九四。鼎、足を折る。公の餗(そく)を覆(くつがえ)す。其(その)形(かたち)渥(あく)たり。凶。
 九四の大臣(側近)は不中正で才能なく道徳性も欠けている。応じる初六を任用して事に当たるが、初六は柔弱な小人なので九四が命ずる大任に耐えられない。時間をかけて調理した美味しい料理(新しい社会制度)が入った鼎(かなえ)の足が折れて、天子(トップ)が用いる公の料理をひっくり返す(新しい社会制度を啓蒙しようとするが宣伝不足で民衆に支持されない)ような大失態を演じる。九四の大臣は恥じ入り赤面して大汗を流すが、天子(トップ)は激怒して九四を重い刑に処する。取り返しのつかない事態に陥る。
象曰、覆公餗。信如何也。
○象に曰く、公の餗(そく)を覆(くつがえ)す。信(まこと)に如何(いかん)せん也(や)。
 小象伝は次のように言っている。天子(トップ)が用いる公の料理をひっくり返す(新しい社会制度を啓蒙しようとするが宣伝不足で民衆に支持されない)ような大失態を演じる。天子(トップ)の信頼を裏切ったのだ。どうして責任を逃れることができようか。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇名君の側近という地位に在りながら傲慢なので賢臣を軽く見る。井の中の蛙(かわず)のように、己を過信して事に対処するので、組織や国の舵取りを誤り、災難を招き寄せる。
○傲慢な自分を反省して、志を改めて心を安定させる。その上で賢臣をよく用いて、共に事に対処すれば、咎なきを得る。
○小人と親しみ、人に迷惑をかける事を招き寄せる。
○与えられた任務に耐えられない(任務を遂行できない)時である。
以下省略。次の書籍をご覧ください。