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八卦の性質と意味

2023年3月2日

【乾(☰)】

 宇宙の根源的エネルギーである。万物は全てこのエネルギーによって存在している。それゆえ「乾(☰)」は永遠である。広大である。剛強である。無限である。無窮である。
 易占の神様・高島嘉右衛門は、「高島周易講釈(八幡書店)」に次のように書いている(現代語に意訳した)。
「乾は天である。乾燥は天の作用であり、造化の根源である。乾は三候全て陽爻で欠けるところがない。元氣(エネルギー)が満ち溢れており、卦德は健である。」
 そして、乾が具えている意味や性質を次のように整理している。(一部、著者が理解できない概念は省略した)
「天、太陽、円、大、始、統、施、明、御、正、大和、寧、剛、誠、天子、君、父、夫、大人、聖、君子、首(かしら)、西北、秋、辛、肺臓、天命、厳粛、高貴、易簡、大度、大器、老成、運転、真実、満足、上達、自然、至徳、卓見」
「(初爻)騰貴、確乎、不抜」
「(二爻)博愛、保合、立誠、寛仁、優勝、純粋」
「(三爻)驕奢、勉強、君子」
 黒岩重人著「易を読むために 易学基礎講座」(藤原書店)及び鹿島秀峰著「現代易占詳解」(神宮館)を参考にして、「乾(☰)」の象意を整理すると次のようになる。
 全て陽爻でできている乾は、陽の性質そのものである。
〇自然 天(天地宇宙・宇宙空間)
○やまとことば あ
○天気は晴れ 
○季節は晩秋、初冬
○方位は西北(後天)、南(先天)
○五行は金
○色は白、黄金色 以下省略

【兌(☱)】

 兌は澤である。澤は凹んでいる。凹んでいる処には水が溜まる。澤は池となり湖となり大海となる。池や湖や大海は生命の泉だから生命に悦ばれる。悦び過ぎると乱れて崩れる。そこで兌は欠ける壊れるという意味になる。また、一番上の陰爻を口先に例えると饒舌という意味になる。饒舌は口先上手だから佞人という意味になる。論語に云う「巧(こう)言(げん)令(れい)色(しよく)、鮮(すくな)し仁(じん)/口先上手で人当たりのよい人物は、見かけだけで思いやりはないよ」のである。
 易占の神様・高島嘉右衛門は、「高島周易講釈(八幡書店)」に次のように書いている(現代語に意訳した)。
「兌は澤である。澤は水を受ける大地であり、海である。兌は一陰が二陽の上に在る。陽は剛く、陰は柔かである。今柔弱な陰爻が、剛い陽爻の上に挙げられている。これは悦ぶという形である。兌を人に当て嵌めれば、少女が人々から寵愛されて、悦んでいる形である。人が悦ぶときは口元が緩むものである。」
 そして、兌が具えている意味や性質を次のように整理している。(一部、著者が理解できない概念は省略した)
「澤、悦、見(あら)われる、和順、毀(き)折(せつ)、少女、口、西(さい)方(ほう)、秋、辛(しん)味(み)、白色、肝臓、妾」
「(初爻)商(しよう)量(りよう)(考えはかる)、謎、調和、謀る」
「(二爻)講習、弁解、方便、説明、忠告、穏当、格言、予言、例え、楽、歓待、讃美、愉快、愛想、怜悧」
「(三爻)口舌、笑う、小人、不信、傷、論議、発言、陳述、呼吸、口実、喜悦、放言、罵詈、冷笑、閉口、流言、賄賂、騙す、喝采、欺く、生意気、喧嘩、告発」
 黒岩重人著「易を読むために 易学基礎講座」(藤原書店)及び鹿島秀峰著「現代易占詳解」(神宮館)を参考にして、「兌(☱)」の象意を整理すると次のようになる。
 一陰が二陽の上にある兌は、上部が欠けて凹んでいる。
〇自然 澤(海・湖・池・水たまり・凹)
○天気は小雨
○季節は秋
○方位は西(後天)、東南(先天)
○五行は金
○色は白、金、赤 以下省略