六四 ―‥‥ ‥―― (山沢損) 之卦 三八火澤睽
六四。損其疾。使遄有喜。无咎。
○六四。其(そ)の疾(やまい)を損(そん)す。遄(すみや)かならしむれば喜び有り。咎无し。
六四の大臣(側近)は柔順正位だが、陰爻陰位で上下(六五と六三)も陰爻なので、陰に過ぎる病気を患っている。幸い剛健正位の初九の君子と応じているので、初九の君子を招き寄せる。初九は自分の仕事を抛(なげう)って六四の大臣(側近)を増やす(に尽くす)ために馳せ参ずる。初九が己を減らして六四に尽くすので、六四の病気は癒される。
初九が「遄(すみや)かに」と願って、六四が「遄(すみや)かに」応じるので、六四も初九も共に喜び合う。六四と初九は志を同じくするので、人から咎められることはない。
象曰、損其疾、亦可喜也。
○象に曰く、其(そ)の疾(やまい)を損(そん)すとは、亦(また)、喜ぶ可(べ)き也(なり)。
小象伝は次のように言っている。初九が己を減らして六四の大臣(側近)に尽くすので、六四の病気は癒される。これもまた、誠に喜ばしいことではないか。
【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇わが身に艱難が降りかかるが、年下の朋友がやって来て、わが気持ちを察し、艱難から救い出してくれる時。
○急病にかかることがある。病院に行くのが遅れれば、死に至る危険もある。事前によい病院を探しておくことが必要である。
○心が不善なのは、心が病んでいるのと同じである。心を磨いて善き心を育むために、善き先生に親しむべき時である。
○部下(自分より下の者)に依頼して、支援してもらう時である。
以下省略。次の書籍をご覧ください。