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易経(周易)を読み解く 百三二(山澤損 初二三)

2021年12月13日

初九 ―‥‥ ‥―― (山沢損) 之卦 四山水蒙

初九。已事遄往。无咎。酌損之。
○初九。事(こと)を已(や)めて遄(すみや)かに往(ゆ)く。咎无し。酌(く)みて之(これ)を損(へら)す。
 初九は剛健正位の君子だが位(くらい)は低い(六爻の最下)。下(内)を減らして上(外)を増やす(に尽くす)という損の時に中(あた)り、正応である六四の大臣(側近)を増やす(に尽くす)ために、自分の仕事を抛(なげう)って六四の下に馳(は)せ参ずる。
 剛健な才能で六四に尽くすので、人から咎められることはない。初九は自分の立場を弁(わきま)えており、事の宜しきを酌(く)み取ることができるので、己を減らして(私利私欲を滅して)六四の大臣(側近)に尽くすことができるのである。
象曰、已事遄往、尚合志也。
○象に曰く、事を已(や)めて遄(すみや)かに往(ゆ)くとは、尚(かみ)、志を合わする也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。初九は正応である六四の大臣(側近)を増やす(に尽くす)ために、自分の仕事を抛(なげう)って六四の下に馳(は)せ参ずる。剛健正位の君子である初九は六四の大臣(側近)と志を同じくすることができるからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇親しい友達や知り合いが病気になったり、事故に遭ったりして助けを求められる時である。速やかに対応すべきである。また、必要ならばお金を投じて、相手のために尽くすべきである。助けることを躊躇してグズグズしていると、相手は死んでしまうかもしれない。死なないまでも、大変な困難に陥ることは間違いない。何が起こっても、速やかに対応することが必要な時である。
○上の位の人から依頼されたら、速やかに依頼に応えるべきである。

以下省略。次の書籍をご覧ください。