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易経(周易)を読み解く 七三(火雷噬嗑 初二三)

初九 ―‥― ‥‥― 之卦 三五火地晉
初九。屨校滅趾。无咎。
○初九。校(こう)を屨(ふ)みて趾(あし)を滅(めつ)す。咎无し。
 刑罰を用いられる側の初九(爻辞においては悪事を働いたのは陽爻として言葉がかけられている)が悪事を働いたので、足(あし)枷(かせ)を嵌(は)められて身動きが取れなくなる刑罰を受けた。悪事の初期の段階(小悪)なので、反省して行動を改めれば更生できる。
象曰、屨校滅趾、不行也。
○象に曰く校(こう)を屨(ふ)みて趾(あし)を滅(めつ)すとは、行かざる也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。初九が足(あし)枷(かせ)を嵌(は)められて身動きが取れなくなる刑罰を受けるのは、これ以上悪事を重ねないために、初九の行動を制するためである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)現在の方向性が誤っている。よく反省して改善すべきである。これから起こす予定の事業のことを知らないので、失敗して恥をかく。いつも行っている小さな事業でも迅速に遂行できない。
○交際する相手の是非善悪をよく判断して、しっかりと選ぶべき時。
○足が傷付いているから、動いて行くのが困難な時。無理して進んで行けば悪い結果になる。
○今は成功することが難しい時と判断して、進んではならない。
○初爻と上爻は刑罰を執行される時である。悪い要素は早い段階(初爻の段階)で制止するべきである。

六二 ―‥― ‥‥― 之卦 三八火澤睽
六二。噬膚滅鼻。无咎。
○六二。膚(ふ)を噬(か)みて鼻を滅す。咎无し。
 六二は刑罰を執行する官(かん)吏(り)(爻辞においては陰爻が悪人に刑罰を執行する役割として言葉をかけている)。六二は自分の鼻がめり込むほど悪人に深く噛み付いて厳正に刑罰を執行する。柔順中正に刑罰を執行するので咎められない。
象曰、噬膚滅鼻、乘剛也。
○象に曰く、膚(ふ)を噬(か)みて鼻を滅すとは、剛に乘(じよう)ずれば也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。六二が自分の鼻がめり込むほど悪人に深く噛み付いて厳正に刑罰を執行するのは、刑罰を執行する罪(ざい)人(にん)が強(ごう)情(じよう)だからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)相手のことを「与(くみ)しやすい人物だ」と侮(あなど)り、逆に自分が損害を被る時である。
○自分の力を使わずに利益を得ようとする。それが裏目に出て財産を失うことがある。
○軟らかい肉が噛みやすいように、力を使わずに事が成就する。

六三 ―‥― ‥‥― 之卦 三十離爲火
六三。噬腊肉、遇毒。小吝无咎。
○六三。腊(せき)肉を噬(か)み、毒に遇(あ)う。小しく吝(りん)なれども咎无し。
 柔弱不中正の自(うぬ)惚(ぼ)れ屋の六三が官(かん)吏(り)として、悪人に刑罰を執行するから、罪(ざい)人(にん)は服従せず怨み憎んで反抗する。六三は堅い干(ほ)し肉を噛(か)むように刑罰の執行に梃(てこ)摺(ず)り、毒に中(あた)るように抵抗される。
 官吏として恥ずかしいことだが、法律に従って刑罰を執行するので、咎められない。
象曰、遇毒、位不當也。
○象に曰く、毒に遇(あ)うとは、位(くらい)當(あた)らざれば也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。六三が悪人の刑罰の執行に梃(てこ)摺(ず)って、毒に中(あた)るように抵抗されるのは、柔弱不中正の自(うぬ)惚(ぼ)れ屋(六三のこと)が過分な位(くらい)に居(い)るからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)自分の手に余る事業を立ち上げ、短期間で大きな利益を得ようとするが、逆に財産を失う時である。
○また、誹謗中傷に苦しむ時であり、美食(グルメ)に溺れて、食中毒に中る時でもある。よくよく慎むべきである。
○陰柔不中正ゆえ、人を治めようとしても、信服されない。「腊(せき)肉を噬(か)み、毒に遇(あ)う。柔弱不中正の自(うぬ)惚(ぼ)れ屋の六三が官吏として刑罰を執行する。罪人は服従せず怨み憎んで反抗する。堅い干し肉を噛(か)むように梃(てこ)摺(ず)り、毒に中(あた)るように抵抗される」。