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易経(周易)を読み解く 百四五(澤地萃 四五上)

2021年12月16日

九四 ‥―― ‥‥‥ (澤地萃) 之卦 八水地比

九四。大吉、无咎。
○九四。大(だい)吉(きつ)にして咎无し。
 剛健不正(陽爻陰位)の九四の大臣(側近)は、初六(正応)と六三(正比)を率いて勢力が盛んである。九四は不正なので陽同士(不比)の天子(トップ)に対抗する可能性がある。もし、剛健中正の九五の天子(トップ)に対抗すれば、咎められることになる。
 だが、天子(トップ)の下に初六と六三を率いて馳(は)せ参ずれば、何事も大いに成就して幸運を招き寄せる。誰にも咎められない。
象曰、大吉、无咎、位不當也。
○象に曰く、大吉にして咎无しとは、位(くらい)、當(あた)らざる也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。爻辞の「何事も大いに成就して幸運を招き寄せる。誰にも咎められない」という言葉の真意は、剛健不中正の九四の大臣(側近)が剛健中正の九五の天子(トップ)に取って代わろうとする野心を起こさないように戒めているのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇才德具え、時の宜しきに従い、剛柔変化自由自在の人物である。事業を企画して誤ることなく大いなる吉運を招き寄せる。
○権力者と遭遇して、権力者の様子を窺い、権力者から恩恵を授かることを待つ(逆に、権力者に恩恵を与える)時である。
○二人が共に力を合わせて、一つの目的を実現する時である。だが、地位に頼らず大衆の支持を得て、公平でなければ、問題が起こる。

以下省略。次の書籍をご覧ください。