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易経(周易)を読み解く 三五(水地比 四五上)

六四 ‥―‥ ‥‥‥ 之卦 四五澤地萃
六四。外比之。貞吉。
○六四。外(そと)之(これ)に比す。貞にして吉。
 六四は柔順正位の側近(組織の中のナンバーツー)である。組織の上(外卦)に居て九五の天子(トップ)とよく親しんでいる。正しく九五を補佐するので幸運を招き寄せる。
象曰、外比於賢、以從上也。
○象に曰く、外(そと)賢に比し、以て上に從う也。
 小象伝は次のように言っている。組織のナンバーツーである六四がトップの賢人九五とよく親しんでいるのは、陰の側近が陽のトップに従うことは正しいことだからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)目上の人に従って事を行なえば、平安にして吉運を招き寄せる。細かいこと(小事)には関わらず、自分のことを信頼してくれる賢人のために誠を尽くして、功を成し遂げる時である。

九五 ‥―‥ ‥‥‥ 之卦 二坤爲地
九五。顯比。王用三軀失前禽。邑人不誡。吉。
○九五。顯(あきら)かに比す。王三(さん)軀(く)を用(もち)ひ前(ぜん)禽(きん)を失ふ。邑(ゆう)人(じん)誡(いまし)めず。吉。
 九五は剛健中正の天子(トップ)である。多くの臣民(臣下・部下と民衆)から慕(した)われ、親しみ和合している。古(いにしえ)(昔)の天子三(さん)駆(く)の礼(君の狩猟は四方を囲まず三方を囲み、禽獣の逃げ道を作っておく)に倣(なら)って、来る者は拒まず去る者は追わない。
 臣民(臣下・部下と民衆)は自分から望んで親しみ和合するので、戒(いまし)める必要はない。九五は天下を泰平に導く明君だから、多くの臣民は幸福になれる。
象曰、顯比之吉、位正中也。舎逆取順、失前禽也。邑人不誡、上使中也。
○象に曰く、顯かに比するの吉は、位正中なれば也。逆を舎てて順を取り、前禽を失ふ也。邑人誡めずとは、上の使うこと中なれば也。
 小象伝は次のように言っている。九五が多くの臣民(臣下・部下と民衆)から慕われ、親しみ和合して天下を泰平に導くのは、剛健正中で尊位(トップの地位)に居るからである。九五は来る者は拒まず去る者は追わない。このことを「前(ぜん)禽(きん)を失う」と言う。
 臣民(臣下・部下と民衆)は自分から望んで親しみ和合するので戒(いまし)める必要がない。組織の一番上に居る九五に正(せい)中(ちゆう)の德があるからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)大衆の希望が叶う時。誰に対しても至誠の心で厚く交際すべきである。どんなに卑しい人でも、同胞や兄弟だと思って、冷たく接してはならない。以上のようであれば、必ず身を立てて、人の道を履み行ない、名を後世に残すことになる。この爻は、大衆を包容する見識を具えた人物である。己を虚しくして、人からの諫言をよく聞き、世間の英雄や豪傑と称される人物を集め、遂には功を成し遂げる。
○ある組織のトップになる。
○トップの地位に在り、多くの部下に親しまれている。多くの優秀な部下に支えられている。
○親しみ和する者同士が集まる時。
○多くの部下から仰ぎ観られる時。
○一人のトップリーダーが多くの部下と親しみ、多くの部下が一人のトップリーダーを支える時。
○上層部の人々が下層部の人々と親しみ、下層部の人々が上層部の人々に従順に親しむ時。

上六 ‥―‥ ‥‥‥ 之卦 二十風地観
上六。比之无首。凶。
○上六。之に比するに首(かしら)无(な)し。凶。
 上六は柔弱不中でやり過ぎる性格である。九五のトップの上に居て傲(ごう)慢(まん)不(ふ)遜(そん)なので、九五と親しむことができない。卦辞(彖辞)の「後(おく)るる夫(ふ)は凶」とは上六のことである。
 上六が不幸に陥ったのは、自ら禍(わざわい)を招いたのである。
象曰、比之无首、无所終也。
○象に曰く、之に比するに首(かしら)无(な)しとは、終る所无(な)き也。
 小象伝は次のように言っている。上六は九五のトップの上に居て傲(ごう)慢(まん)不(ふ)遜(そん)なので、九五と親しむことができない。みんなが親しみ合う比の時に、自分だけ傲慢不遜に振る舞ったのである。こんな態度で終りを全うできるわけがない。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)この爻は、人と交わる道を始めから踏み外して歩むがゆえに、比の時の終わりを全うすることができない。
○朋友と絶交する時。心を改めなければならない。