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易経(周易)を読み解く 四三(地天泰 初二三)

易経(周易)を読み解く

初九 ‥‥‥ ――― 之卦 四六地風升
初九。抜茅茹。以其彙。征吉。
○初九。茅(ちがや)を抜くに茹(じよ)たり。其(そ)の彙(たぐい)を以(もつ)てす。征(ゆ)きて吉。
 賢人初九(陽爻陽位の正位)は、正応六四の大臣に抜擢される。一本の茅(ちがや)(初九)を引き抜けば他の茅(ちがや)(九二・九三)も一緒に引き抜かれるように、九二と九三を引き連れて行く。朝廷に九二と九三を推(すい)挙(きよ)して天下泰平となる。賢人が率先して天下国家にお仕えすれば、幸運を招き寄せる。
象曰、抜茅、征吉、志在外也。
○象に曰く、茅を抜く征きて吉とは、志外に在れば也。
 小象伝は次のように言っている。六四に抜(ばつ)擢(てき)された賢人初九が、九二と九三を朝廷に推(すい)挙(きよ)して、天下国家にお仕えする。賢人が朝廷(外)に結集して、天下泰平の志を同じくするから、幸運を招き寄せるのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)常に自分よりも優れている人物を友だちに選び、一歩一歩前に進めば、目上の人から目をかけられる。小さなことにクヨクヨせず、世のため人のために役に立てるような志を抱くべきである。「茅(ちがや)を抜く。六四の大臣に抜擢される」ことで調子に乗って、私利私欲に走ってはならない。
○目上の人に目をかけられる。
○初爻の居る場所は未開の土地。この土地を開墾していくべき。このことを「茅(ちがや)を抜く。茅(ちがや)を一本引き抜けば沢山の茅(ちがや)が引き抜ける」と云う。
○時に臨んで活性化できるように決断すべきである。
○善人が互いに連携して共に大事業を進める時。
○朋友(同志)の推薦によって立身出世する。

九二 ‥‥‥ ――― 之卦 三六地火明夷
九二。包荒、用馮河、不遐遺、朋亡、得尚于中行。
○九二。荒(こう)を包み、馮(ひよう)河(が)を用い、遐(とお)きを遺(わす)れず、朋(とも)亡(うしな)われ、中(ちゆう)行(こう)に尚(あ)うを得(う)。
 中庸の德を具えている賢臣九二は正応六五の天子(トップ)の寵愛を受け、天下を泰平に導く。「寛大に小人を包容する大度量(仁德)」「大川を徒歩で渉る行動力」「遠いものまで見逃さない明智」「朋党に偏ることのない公平無私」の四(し)德(とく)を具えて中(ちゆう)行(こう)の(泰の時に適切に対処している)天子(トップ)の思し召(おぼしめ)し(意向)に適(かな)う。
象曰、包荒、得尚于中行、以光大也。
○象に曰く、荒を包み、中行に尚うを得とは、以て光大なる也。
 小象伝は次のように言っている。九二は「寛大に小人を包容する大度量(仁德)」「大川を徒歩で渉る行動力」「遠いものまで見逃さない明智」「朋党に偏ることのない公平無私」の四(し)德(とく)で中行の(泰の時に適切に対処している)天子(トップ)の思し召(おぼしめ)し(意向)に適(かな)う。光り輝くように大きい四德で偉大な功績を成就するのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)寛容な人が時に中って道を歩む。大衆が帰服する。時の流れに中って果断に事業を行えば、大成功する。
○遠い場所に土地を取得し、人を派遣して開拓させ、それらの人々を定住させる。すべては国家に公益があるという内容の占いとなる。
○剛毅木訥の(寡黙で大衆から理解されにくい)人物でも、志が正しく真っ直ぐであれば、抜擢して任用する。
○私事から離れて、公に奉ずる(滅私奉公)時。
○道理の正否で判定すべし。感情に流されてはならない。
○大事な事業をやり遂げて、大衆に尊敬される。
○今は運気が盛んな時。時は陰陽消長(盛衰)するという天理をよく理解して、慎み深い人は、幾久しく安泰を保つことができる。
○社会的地位の高い人(貴人)から、大きな任務を依頼される。
○自分と志を同じくしない小人を、剛健かつ果断に切り捨てて、不正を行なう者を遮断する時である。

九三 ‥‥‥ ――― 之卦 一九地澤臨
九三。无平不陂、无往不復。艱貞无咎。勿恤其孚。于食有福。
○九三。平(たい)らかにして陂(かたむ)かざる无(な)く、往(ゆ)きて復(かえ)らざる无(な)し。艱(かん)貞(てい)なれば咎无し。恤(うれ)うる勿(なか)れ、其(そ)れ孚(まこと)あれ。食に于(おい)て福(さいわい)有り。
 九三は安泰の最盛期(下卦乾の極点・泰の折り返し地点)という危ない位置に居る。何事も安定した状態が永続することはない。鬼が外に行ったきりで帰ってこないこともない。幾久しく安泰の時が続くと錯覚して、安逸に流されてはならない。
 常に天下国家に思いを馳せ、艱難を乗り越えて正しい道を固く守れば、咎められるような過失は免れる。憂えることなく、至誠を尽くしなさい。食べること(生活)に関しては幸福な状態がまだまだ続くであろう。
象曰、无往不復、天地際也。
○象に曰く、往(ゆ)きて復(かえ)らざる无(な)しとは、天地際(まじ)わる也。
 小象伝は次のように言っている。鬼が外に行ったきりで帰ってこないことはない(鬼は外・福は内の次は、福は外・鬼は内の状態に移行する)。陰陽消(しよう)長(ちよう)往(おう)来(らい)の常(じよう)理(り)である。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)運氣は、まだ盛んであるが、先行きに暗雲が漂い始める時。
自分から厳しく慎んで、災難を未然に防がねばならない。そのようであれば、一時は危ない事に遭遇しても、幸を得ることができる。
災難を免れて、幸を得るかどうかは、あなたの心がけ次第である。
○盛運の中に衰運の兆しが微かに現われる。いたずらに進んで行ってはならない。
○担っている仕事は艱難辛苦が続くが、忍耐強く努力を積み上げていけば、思わぬ幸を得る。