初九 ‥‥‥ ――― (地天泰) 之卦 四六地風升
初九。抜茅茹。以其彙。征吉。
○初九。茅(ちがや)を抜くに茹(じよ)たり。其(そ)の彙(たぐい)を以(もつ)てす。征(ゆ)きて吉。
賢人初九(陽爻陽位の正位)は、正応六四の大臣に抜擢される。一本の茅(ちがや)(初九)を引き抜けば他の茅(ちがや)(九二・九三)も一緒に引き抜かれるように、九二と九三を一緒に引き連れて行き、朝廷にお仕えするが宜しい。賢人(初九・九二・九三)が率先して天下国家にお仕えすれば、幸運を招き寄せるのである。
象曰、抜茅、征吉、志在外也。
○象に曰く、茅を抜く征きて吉とは、志外に在れば也。
小象伝は次のように言っている。六四に抜(ばつ)擢(てき)された賢人初九が、九二と九三を一緒に引き連れて行き、朝廷(天下国家)にお仕えする。賢人が朝廷(外卦)に結集して、天下泰平の志を同じくするから、幸運を招き寄せるのである。
【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇自分よりも優れている人物を友だちに選び、一歩一歩前に進めば、目上の人から目をかけられる。小さなことにクヨクヨせず、世のため人のために役に立てるような志を抱くべきである。「茅(ちがや)を抜く。六四の大臣に抜擢される」ことで調子に乗って、私利私欲に走ってはならない。
○目上の人に目をかけられる。
○初爻の居る場所は未開の土地。この土地を開墾していくべき。このことを「茅(ちがや)を抜く。茅(ちがや)を一本引き抜けば沢山の茅(ちがや)が引き抜ける」と云う。
○時に臨んで活性化できるように決断すべきである。
○善人が互いに連携して共に大事業を進める時。 ○朋友(同志)の推薦によって立身出世する。
以下省略。次の書籍をご覧ください。