六四 ‥‥‥ ――― (地天泰) 之卦 三四雷天大壯
六四。翩翩不富、以其隣。不戒以孚。
○六四。翩(へん)翩(ぺん)たり。富(と)めりとせずして其(そ)の隣を以(もつ)てす。戒(いまし)めずして以(もつ)て孚(まこと)あり。
柔順正位で君主(トップ)の側近である六四は、泰平が頂点を極めて折り返し地点を過ぎた時に大臣の位に居る。賢人初九を抜擢し泰平を維持すべく、鳥が群がり飛んで行くように下に降る。その位を誇ることなく、同類の六五・上六と連なって謙虚な気持ちで賢人初九に謙(へりくだ)る。自戒せずとも至誠な(真心が厚い)ので初九の信頼を得るのである。
象曰、翩翩不富、皆失實也。不戒以孚、中心願也。
○象に曰く、翩(へん)翩(ぺん)として富(と)めりとせずとは、皆、實(じつ)を失えば也。戒(いまし)めずして以(もつ)て孚(まこと)ありとは、中(ちゆう)心(しん)願う也。
小象伝は次のように言っている。六四の大臣が賢人初九に謙るのは、統治者である六四・六五・上六は、虚心で富貴を求めないからである。自戒せずとも至誠な(真心が厚い)ので初九の信頼を得るのは、統治者(六四・六五・上六)が心の底から天下泰平を願うからである。
【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇貴方は目下の人に質問することを恥ずかしいと思わず、聖人が遺した言葉をよく学び、よく謙遜する立派な人物である。その貴方が知識が豊富で智恵がある人と共に事業を企画して誠実に事を進める。周りの人から信用を得られるようになれば、貴方の願望は成就する。
○保有している権力が徐々に弱くなっていく。
○知識豊富で智恵がある人物に何かを委任する。
○私利私欲から離れ、公に奉ずることを希望すべきである。
以下省略。次の書籍をご覧ください。