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易経(周易)を読み解く 六四(山風蠱 初二三)

初六 ―‥‥ ――‥ 之卦 二六山天大畜
初六。幹父之蠱。有子考无咎。厲終吉。
○初六。父の蠱(こ)に幹(かん)たり。子(こ)有り、考(ちち)咎(とが)无(な)し。厲(あや)うけれども終(つい)に吉(きつ)。
 初六は先代の事業(組織)を引き継ぎ、旧来の弊(へい)害(がい)を刷新しようと決意する。事業(組織))継承者として旧来の弊害を刷新できれば、先代の名誉に傷を付けない。
 己の拙(つたな)さを自覚(先代を尊敬)して持(じ)戒(かい)精(しよう)進(じん)すれば、終(つい)には幸運を得るであろう。
象曰、幹父之蠱、意承考也。
○象に曰く、父の蠱に幹たりは、意、考に承くる也。
 小象伝は次のように言っている。旧来の弊(へい)害(がい)を刷新しようと決意するのは、尊敬する先代の志を継承して、事業(組織)を継続発展させようとしているからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)父親が立ち上げた事業(志半ばで父親は亡くなる)を、子供が引き継ぎ、その弊害を刷新して事業を軌道に乗せようとする時。
父親は大きな事業を立ち上げ、それを軌道に乗せ、子供に継いでもらおうと思った。だが、事業を軌道に乗せる前に亡くなってしまった。時が至らなかった。どうすることもできない。宿命である。
事業を引き継いだ子供は、父親の志を実現するため、奮い立たなければならない。子供は父母から身体を授かり、育ててもらった恩を忘れてはならない。父親が大きな事業を立ち上げたのは、子供に引き継いでもらうためだから、子供は父親の志を引き継いで、その志を実現させなければならない。
創意工夫して父親の思いを実現させることが、父親への恩返し。引き継いだ事業を力を尽くして手伝ってくれる人を得たら、どんなに困難な事業であっても、父親の志は必ず成就する。
○先輩の失敗を引き受けて、それを改革する時である。
○土台を残して腐敗が進んでいる事業を再生するために、周到に準備を重ねて、父親の事業を救う時である。

九二 ―‥‥ ――‥ 之卦 五二艮爲山
九二。幹母之蠱。不可貞。
○九二。母の蠱(こ)に幹(かん)たり。貞(てい)にす可(べ)からず。
 人德と才能を具えた忠臣(事業継承者)九二は剛中の德で母(応じる六五の天子・トップは陰爻なので母と称する)が招いた蠱(こ)乱(らん)(旧来の弊害)に対処する。
 六五に対して厳正に過ぎてはならない。巽(そん)順(じゆん)な態度で六五を尊(たつと)び諭(さと)して正しい道へと導くべきである。
象曰、幹母之蠱、得中道也。
○象に曰く、母の蠱(こ)に幹(かん)たりとは、中(ちゆう)道(どう)を得(え)る也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。母(六五の天子・トップ)が招いた蠱(こ)乱(らん)(旧来の弊害)に巽順な態度で対処する。
 中(ちゆう)庸(よう)の道に適(かな)った態度で従(しよう)容(よう)と対処するので、母を正しい道(旧来の弊害を刷新する道)へと導くことができるのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)恩義を受けている上位者が愚かゆえ、この上位者に仕えるのに大変苦しむ時。至誠の心で大義を貫こうとしても、上位者が愚かゆえ、理解してもらえない。強く訴えかければ、恩義に背くし、何もしなければ腐敗が進行する。恩義に背かず、腐敗を進行させないようにしつつ、志を固く守って三年間仕え、腐敗を刷新する時が到来するのを待つべきである。上位者である六五の君主は陰なので、事を強引に進めるのは不向きである。だから、時が到来するのを待つのである。
○大きな家の支配人が幼い主人を守るために、家政を刷新する時。
○辛苦すれば何事も成し遂げられる時である。

九三 ―‥‥ ――‥ 之卦 四山水蒙
九三。幹父之蠱。小有悔。无大咎。
○九三。父の蠱(こ)に幹(かん)たり。小(すこ)しく悔(くい)有り。大(だい)なる咎无し。
 九三は才德高く先代の蠱(こ)乱(らん)(旧来の弊害)を刷新する力はあるが、厳格に過ぎて(やり過ぎるので)少し後悔する。自(じ)戒(かい)して蠱(こ)乱(らん)の(旧来の弊害を刷新しようとする後継者としての)志を貫(つらぬ)けば、大きな過失は犯さないのである。
象曰、幹父之蠱、終无咎也。
○象に曰く、父の蠱(こ)に幹(かん)たりとは、終(つい)に咎无き也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。九三は厳格に過ぎて(やり過ぎるので)少し後悔する。けれども、自(じ)戒(かい)して蠱(こ)乱(らん)の(旧来の弊害を刷新して事業を再構築しようとする後継者としての)志を貫くので、大きな過失は犯さないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)蠱の弊害(腐敗)が非常に深く、言葉にならない時。剛に過ぎる才能で腐敗を刷新しようとするが、過激すぎて周りの人が離れてしまう。だが、果断に事を進めて、遂には大きな功を成し遂げる。
○策の中に謀(はかりごと)が含まれている時である。
○剛の才能に頼れば、人から受けた恩に反する恐れがあり、柔の才能だけで対処すれば、腐敗の弊害を刷新できない時である。
○事を為そうとするあまり、自分が仕える主人(上司)の名を借りて、嘘を言って人を騙すようなことをする。