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易経(周易)を読み解く 七二(火雷噬嗑 全体)

二一 火(か)雷(らい)噬(ぜい)嗑(こう) ―‥―離火 ‥‥―震雷
互卦 三九水山蹇  綜卦 二二山火賁  錯卦 四八水風井
噬嗑、亨。利用獄。
○噬(ぜい)嗑(こう)は亨(とお)る。獄(ごく)を用(もち)うるに利(よろ)し。
 噬嗑は上(うわ)頤(あご)と下(した)顎(あご)(二七山雷頥の象)の間にある邪魔物(全体の卦象からは四爻を邪魔者と観る)を、聡明な智慧(上卦離の明智)と活発な威権(下卦震の雷動)で噛み砕いて除き去り、上下和合亨(こう)通(つう)する時である。
 邪魔物は天下の害(がい)悪(あく)ゆえ、刑罰や裁判で懲(こ)らしめるが宜しい。

彖曰、頤中有物、曰噬嗑。噬嗑而亨。剛柔分、動而明。雷電合而章。柔得中而上行、雖不當位、利用獄也。
○彖に曰く、頤(い)中(ちゆう)に物(もの)有(あ)るを噬(ぜい)嗑(こう)と曰(い)う。噬嗑して亨(とお)る。剛柔分かれ、動きて明らかなり。雷(らい)電(でん)合(がつ)して章(あき)らかなり。柔中を得て上(じよう)行(こう)す。位(くらい)に當(あた)らずと雖(いえど)も、獄(ごく)を用(もち)いるに利(よろ)しき也(なり)。
 彖伝は次のように言っている。上(うわ)顎(あご)と下(した)頤(あご)の間に邪魔物が有るゆえ噬嗑と名付ける。間にある邪魔物を、聡明な智慧(離の明智)と活発な威権(震の雷動)で噛み砕いて除き去り、上下和合亨(こう)通(つう)の時である。陽剛(震)と陰柔(離)が上下に分かれ、果断決行する威力(震)と聡明で明察な智慧(離の明智)とを兼ね備えている。雷(震の雷動)の盛大な威力と電光(離の雷電)の煌(きら)めく光(こう)明(みよう)が合体し、威厳と明(めい)察(さつ)で刑罰と裁判を執行する。柔順で中庸の德を備えた六五が尊位に居る。六五は陰爻陽位で位は正しくないが、刑罰と裁判の執行を適切にする(厳格に過ぎない)から宜しいのである。

象曰、雷電噬嗑。先王以明罰勑法。
○象に曰く、雷(らい)電(でん)は噬嗑なり。先(せん)王(おう)以(もつ)て罰を明らかにして法を勑(ととの)う。
 小象伝は次のように言っている。上卦離の電光(明智)と下卦震の雷(威光)から成るのが噬嗑の形である。昔の王さまはこの形に倣(なら)って、離の明智で罪を弁(べん)別(べつ)して刑罰を詳(つまび)らかに示し、震雷の威光で法律を整え厳正に執行したのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)事を為そうと欲して、何か障害が発生するか、邪魔する者が現われる。礼儀と謙譲の心を大切にして、障害や邪魔者を除去しようとするが効果が上がらない。力(権力や権威)によって、障害や邪魔者を除去すべきである。力で対処すれば効果が上がる時である。
全て事を為そうとするならば、剛強の性質を前面に立てるが宜しい。
○声を高く上げて、その威力で人を脅す時である。
○心の中に含みがあるので、他人に腹を立てる時。
○腹が立ったり怒ったりしやすい時である。自分から相手に声をかけ(言葉を発し)て和合するべきである。
○よく考えないから、争い事を招き寄せる。
○自分と相手の間を邪魔する者がある。自分の志が相手に通じないので事がうまく進まない。邪魔する者を除去すれば、事は成就する。
○邪魔者を除去するために刑罰を用いれば効果が上がる。刑罰を執行すれば、利益が得られる。
○明智と権威によって刑罰を決める。刑罰の効果を見極めて、刑罰を執行すべきかどうか決める。権威を背景に武器を用いて国家を正す時。自分と相手の間に存在する邪魔者を除去すれば事は成就する。
○誰かと争っている場合は、訴訟すれば利益を得られる。
○騒々しくて落ち着きがなく、埒(らち)が明かない時。
○知らないことを人に質問する。 ○女性が強く、男性が弱い時。
○捕まって刑務所に入れられることがある。
○人から誹謗中傷され、あれよあれよという間に災いを招き寄せる。
○感情を激して(怒りまくって)、財産を失う。 ○人に利害を説く。 
○人に利害を説かれる。 ○人を養う。 ○何かを養う。 ○相手と交易する。
○強硬策で上下が分断される。 ○才能と智恵がある人が勉強する。
○人と反対の売買により利益を得る。物価は騰貴する。