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易経(周易)を読み解く 八六(天雷无妄 四五上)

九四 ――― ‥‥― (天雷无妄)之卦 四二風雷益
九四。可貞。无咎。
○九四。貞(てい)にす可(べ)し。咎(とが)无(な)し。
 剛健九四は不正不応で妄(もう)動(どう)(小賢しい智恵で天地自然の道に対処)し易(やす)いので、正しい道(天地自然の道に素直に順うこと)を固く守るべきである。
 正しい道(天地自然の道に素直に順うこと)を固く守れば、恥をかくことはない(小賢しい智恵で妄動するほど恥ずかしいことはない)。
象曰、可貞、无咎、固有之也。
○象に曰く、貞(てい)にす可(べ)し。咎(とが)无(な)しとは、固(もと)より之(これ)を有する也。
 小象伝は次のように言っている。正しい道(天地自然の道に素直に順うこと)を固く守れば、恥をかくことはない(小賢しい智恵で妄動するほど恥ずかしいことはない)。人間誰もが、天地自然の道によってこの世に生まれてきたのである。无妄の道(無爲自然な天の道に素直に順うこと)を元々体得(体験的に習得)しているのである。
【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)自分の思い通りに事を為そうとしてはならない。陽の性質だが応じる相手はいない。私利私欲で事を企てて、今の立場(社会的地位)を失ってはならない。本業を大切に守って、隣の芝生(他人の仕事)は青いと羨(うらや)ましがってはならない。无妄の時が終るのをじっと待つしかない。無事を幸せだと感じること。人としての行いを慎んで問題が起こらなければ善しとする。事を為してはならない。
○古い習慣を守って、今のあり方に満足できれば吉である。

九五 ――― ‥‥― (天雷无妄)之卦 二二火雷噬嗑
九五。无妄之疾。勿藥有喜。
○九五。无(む)妄(ぼう)の疾(やまい)なり。藥(くすり)する勿(なか)れ、喜び有り。
 九五は剛健中正で尊位に居り、柔順中正の六二と相応じている。无(む)妄(ぼう)の至(し)極(ごく)(無爲自然な天の道に素直に順うことを極めているの)で邪(じや)心(しん)はない(心穏やかだ)が、病(やまい)に罹(かか)ることはある。生(しよう)老(ろう)病(びよう)死(し)は人生の定めだから薬(やく)石(せき)を施(ほどこ)す必要はない(薬を投与しても対症療法に過ぎない)。よく摂(せつ)生(せい)して寒(かん)暑(しよ)を凌(しの)ぎ、程(ほど)よく飲食すれば、放(ほお)っておいても(免疫力が高まって)自然に快復するであろう。
象曰、无妄之藥、不可試也。
○象に曰く、无(む)妄(ぼう)の藥(くすり)は、試(もち)う可(べ)からざる也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。生老病死は人生の定めだから、よく摂(せつ)生(せい)して寒暑を凌ぎ、程よく飲食すれば、放(ほお)っておいても(免疫力が高まって)自然に治(ち)癒(ゆ)するのである。それゆえ、薬(やく)石(せき)を用いる必要はない(薬を投与しても対症療法に過ぎない)のである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)非常事態に遭遇しても、慌てふためいてはならない。それほど時が経たないうちに、自然と解決方法が見つかる。これが「无(む)妄(ぼう)の疾(やまい)なり。薬(くすり)する勿(なか)れ」の意味である。
○剛健中正にしてトップリーダーの位に居る。応ずる二爻もまた中正であるから、无妄の時に適っている。
○思ってもいない疑いをかけられたり、病に罹ったりするが、心の中はすっきり晴れ渡っている時。
○思ってもいない心労が起こるが、自然と解決する。
○病に罹っても薬を用いることなく、自然に快(かい)癒(ゆ)する。

上九 ――― ‥‥― (天雷无妄)之卦 十七澤雷隨
上九。无妄。行有眚。无攸利。
○上九。无(む)妄(ぼう)なり。行けば眚(わざわい)有り。利(よろ)しき攸(ところ)无(な)し。
 上九は不中正で无(む)妄(ぼう)の窮(きゆう)する(無爲自然な天の道に素直に順うことができない)時に在(あ)る。窮しているのに進み行けば(小賢しい智恵で妄動すれば)自ら災難を招き寄せる。
 何をやっても八方塞がりで四苦八苦して困窮するしかない。
象曰、无妄之行、窮之災也。
○象に曰く、无(む)妄(ぼう)の行くは、窮(きわ)まるの災(わざわい)也。
 小象伝は次のように言っている。无妄が窮する(無爲自然な天の道に素直に順うことができない)時に在り、窮しているのに進み行き(小賢しい智恵で妄動するので)、自ら災難を招く。天(無爲自然)の道に則(のつと)る无妄の時が窮(きわ)まって(無爲自然な天の道に素直に順うことができなくなって妄動し)災難を招き寄せたのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)計画したことは、既に大きく破綻しており、もうすぐ完全に破綻する。天災と人災に続けて遭遇する。こういう時はひたすら祖先の霊をお祀(まつ)りして、災害が去ることを祈るしかない。
○悪人が災難を呼び寄せる時。運が良ければ善人が来て、諫(いさ)めてくれることもある。速やかにその言葉に随うべきである。
○无妄の極点。ひたすら自戒して動かないようにすべきである。困窮して災難に遭遇する時である。 ○大災害が起こる時。
○上爻変ずると「沢雷隨」となる。流れ矢に中って、兜(かぶと)を射貫かれる。 ○天から圧力がかかっている時。
○首が飛ぶ心配がある。以前、首が飛ぶところを逃れたことがある。
○あっという間に事に敗れて驚愕する時。
○過分の望みを抱いて、災難を招く時である。