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易経(周易)を読み解く 百七八(火山旅 四五上)

2021年12月21日

九四 ―‥― ―‥‥ (火山旅) 之卦 五二艮爲山

九四。旅于處。得其資斧。我心、不快。
○九四。旅(りよ)にして于(ここ)に處(お)る。其(その)資(し)斧(ふ)を得(う)。我が心、快(こころよ)からず。
 陽爻陰位で不中正の九四が旅に出た。剛柔兼ね備えた九四の才能と道德性が認められて、しばらく滞在する家を与えられた。滞在中必要な予算や生活必需品も用意してくれた。けれども、九四は官(かん)位(い)(旅先における公的な役職や仕事)を得たわけではない。旅先を定住地にしたいと願っている志は実現しないので、九四は内心、快く思っていない。
象曰、旅于處、未得位也。得其資斧、心未快也。
○象に曰く、旅(りよ)にして于(ここ)に處(お)るとは、未(いま)だ位(くらい)を得(え)ざる也。其(その)資(し)斧(ふ)を得(う)とは、心未(いま)だ快(こころよ)からざる也。
 小象伝は次のように言っている。剛柔兼ね備えた九四の才能と道德性が認められて、しばらく滞在する家を与えられた。けれども、官(かん)位(い)(旅先における公的な役職や仕事)は得られなかった。滞在中必要な予算や生活必需品も用意してもらったが、官位がなければ旅先を定住地にしたいと願っている志は実現しない。だから、九四は内心快く思っていないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇その役職に居られるのは僥倖(運がよいから)である。その器ではないのに、その役職に就いている。旅行中ではないが、旅行中であるように、安定しない立場だから、前途に不安を感じる時である。
○権威のある立場に在るが、部下からの人望が得られない。久しくその立場を保てない。
○師に教え導かれて利益を得る。師のエネルギーを吸収して自立する。だが、未だ時運を得ることができないので、志を実現することができない。忸怩(じくじ)たる思いが残る時である。
○道ばたのお店で休憩するような時である。

以下省略。次の書籍をご覧ください。