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易経(周易)を読み解く 百七九(巽為風 全体)

五七 巽(そん)爲(い)風(ふう) ――‥巽風 ――‥巽風

                          互卦 三八火澤睽  綜卦 五八兌爲澤  錯卦 五一震爲雷

巽、小亨。利有攸往。利見大人。
○巽(そん)は小しく亨る。往(ゆ)く攸(ところ)有るに利し。大人を見るに利し。
 巽はすっと入る。すっと入ると云う意味から謙る。巽順と云う意味が出てくる。巽は巽順(柔順)に人に謙(へりくだ)って従う時である。巽順(柔順)に人に謙(へりくだ)って従う時であるから、小さな事ならすらっと通る。常に柔順に人に謙って行動することが肝要である。誰にでも謙ればよいと云うわけではない。立派な人(大人)に謙るから善い結果が得られるのである。

彖曰、重巽以申命。剛巽乎中正而志行。柔皆順乎剛。是以小亨、利有攸往、利見大人。
○彖に曰く、重(ちよう)巽(そん)にして以て命(めい)を申(かさ)ぬ。剛、中正に巽(したが)ひて志行はる。柔、皆剛に順ふ。是を以て小しく亨り、往く攸有るに利しく、大人を見るに利し。
 彖伝は次のように言っている。上卦・下卦、巽(巽順・風)が重なっているから、巽(そん)順(じゆん)にして巽順(柔順)に人に謙ることができ、風のように隅々まで命令が行き渡るのである。すなわち、下の人々は上の人々の命令に巽順(柔順)に従い、上の人々は下の人々の意見や要望をよく聞き、その時々に適合する政策を打ち立て、丁(てい)寧(ねい)且(か)つ繰り返して、下の人々に命令を伝える。
 剛健にして位正しく中庸の德を具えている六五の天子(トップ)が柔順に人の道(道德・仁)に従うから、天子(トップ)としての志が為し遂げられるのである。小人(陰・普通の人々)は大人(陽・立派な人々)に柔順に従うものである。それゆえ、小さな事ならすらっと通る。何事も巽順(柔順)に人に謙って行動することが肝要である。謙るに中って、誰にでも謙ればよいと云うわけではない。立派な人(大人)に謙るから善い結果が得られるのである。

象曰、隨風巽。君子以申命行事。
○象に曰く、隨(ずい)風(ふう)は巽なり。君子以て命(めい)を申(かさ)ね事を行ふ。
 小象伝は次のように言っている。風が次から次へと吹き続けるのが巽の形である。人の上に立つ君子はこの形に見習って、部下や民衆がよく理解できるように、丁寧且つ、繰り返し繰り返し命令を伝えて、その後、計画を実行するのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)疑いが多くて事を誤る時。英邁で果断な人物を抜擢して(見つけ出して)事業を企画する(事を謀る)が宜しい。
○時運に乗って利益を得る時。
○家督相続に関する問題が起こりやすい時。慎むべきである。
○陰的存在が陽的存在に順いながら、陽的存在を利用する時。
○円滑な交際をしていながら、お互い心の中を探り合っている。進退を決することができない。
○何かに柔順に従う時。 ○何かに(が)入り込む時。
○媚(こ)び諂(へつら)う時。 ○疑惑が多い時。
○進退決する(進退を決断する)ことができない時。
○決断することができない時る。 ○志が定まらない時。
○隠れ伏せる時。 ○商売すれば利益を得られる。
○命令が行き渡る時。 ○巧言令色で薄情である。
○謙って慎み深く言葉を発し、情が厚ければ、事を誤らない時である。
○騒々しい時。
○上卦(上位の者)が命令を発し、下卦(下位の者)が命令を伝える時。
○人からおだてられ、持ち上げられる。
○女性の場合は、品行方正で善き風俗を醸(かも)し出す時。
○物価は、最初は下落してその後上昇(乱高下)する。
○売買行為(商売)が盛んに行われる時。