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易経(周易)を読み解く 六九(風地観 全体)

二十 風(ふう)地(ち)観(かん) ――‥巽風 ‥‥‥坤地
互卦 二三山地剝  綜卦 十九地澤臨  錯卦 三四雷天大壯
觀、盥而不薦。有孚顒若。
○觀は盥(かん)して薦(すす)めず。孚(まこと)有り顒(ぎよう)若(じやく)たり。
 観には「周観(周く物を観る)」「仰観(手本を示す、仰ぎ観る)」の意味がある。上の者が下の者を周(あまね)く観て手本を示すから、下の者は上の者を仰ぎ観るのである。
 宗(そう)廟(びよう)の祭(さい)祀(し)でお供え物を献(けん)上(じよう)する前に、祭主が手を洗い清めて神様の前に進み、至誠の心と厳(げん)粛(しゆく)な態度で神様を天から迎えるのである。為政者が至誠の心と厳粛な態度を民に示せば、民は自然に為政者を尊(そん)崇(すう)して仰ぎ観るようになる。

彖曰、大觀在上、順而巽、中正以觀天下。觀盥而不薦、有孚顒若、下觀而化也。觀天之神道而、四時不忒。聖人以神道設教、而天下服矣。
○彖に曰く、大觀上に在り。順にして巽、中正以て天下を觀る。觀は盥(てあら)いて薦めず、孚(まこと)有り顒(ぎよう)若(じやく)たりとは、下觀て化する也。天の神道を觀るに、四(しい)時(じ)忒(たが)わず。聖人、神道を以て教えを設けて、天下服す。
 彖伝は次のように言っている。山のように見識が高く臣民が仰ぎ観る陽剛(上九の老師と九五の天子・トップ)が上に在る。二人は柔順(坤)に天の道に従い、巽順(巽)に謙遜して高ぶらない。剛健中正の德を備えた九五の天子(トップ)が周(あまね)く天下を観察して手本を示し、臣(しん)民(みん)は仰ぎ観る。
 例えば、宗廟の祭祀でお供え物を献上する前に、祭主が手を洗い清めて神様の前に進み出て、至誠の心と厳粛な態度で神様を天から迎えるように、為政者が至誠の心と厳粛な態度を民に示せば、民は自然に為政者を尊崇して仰ぎ観る。
 臣民(下)は為政者の至誠な心と厳粛な態度を観て自然と風化する。天の神(しん)道(とう)を観察すると、春夏秋冬息(やす)まず循環して違(たが)い誤ることはない。
 聖人は神道に則(のつと)り臣民を教化する。すなわち、神道が声も形もなく、自然にして霊(れい)妙(みよう)な働きであるように、聖人は言葉や規則を用いずとも至誠な心で臣下人民を風化させ、自然に天下萬民は信服するのである。

象曰、風行地上觀。先王以省方、觀民設教。
○象に曰く、風、地の上を行くは觀なり。先王以て方を省み、民を觀て教を設く。
 小象伝は次のように言っている。風が地上に周(あまね)く(四方八方)吹き渡る(坤下巽上)のが観の形である。昔の王さま(トップ)はこの形を見習って天下諸国(各地)を巡(じゆん)幸(こう)し、風俗・慣習・文化の相違を詳(つまび)らかに観察して、それぞれに適した国是(規則)を定め、それぞれに適した教育を施(ほどこ)して民(人々)を教え導いたのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)多くの人々(庶民・大衆・諸人)から尊敬される時。
自分の身を慎み、正しい志を抱き、信義を大切にして、よく人と交り、人々の模範となるような人間を志すべき時である。期待しなくても、幸福を招き寄せ、求めなくても、利益を得られるようになる。
○生まれつき才能と人徳を具えている。よく世間の事を考えた上で心を清くして諸事を行えば、多くの人々(庶民・大衆・諸人)だけでなく、神仏も感動させることができる。
○至誠の心が感じられなければ、吉運を招いても、応じてはならない。
○上の人を仰ぎ親しめば、高貴な人の支援を得られる。
○上の人は下の人を教え導き、下の人は上の人を信服する時。
○泥棒のような犯罪者が身を隠す所がない時。
○世の中が衰退して、賄賂が盛んに飛び交う時。
○上手に見せて誤魔化そうとする時。
○大地に風が吹いて、見た目は清らかになる時。
○観察する時。 ○示す時。 ○変化する予兆を観察する時。
○与える時。 ○外見はよく見えるが、内情は空っぽな時。
○尊敬して慎む時。 ○教え諭す時。
○物価は今は安いが、やがて高騰する。