毎日連載! 易経を中心に日本の心に関する情報を毎日アップしています。

易経(周易)を読み解く 百十九(風火家人 全体)

三七 風(ふう)火(か)家(か)人(じん) ――‥巽風 ―‥―離火
互卦 六四火水未濟  綜卦 三八火澤睽  錯卦 四十雷水解
家人、利女貞。
○家(か)人(じん)は、女(じよ)の貞(ただ)しきに利(よろ)し。
 家人は治(ち)国(こく)平(へい)天(てん)下(か)の本(もと)たる齊(せい)家(か)の道(齊家とは家庭円満のこと・上卦巽の長女に下卦離の中女が虚心坦懐に順っているから家庭は円満となる)を説(と)いている。
 家(家庭や自治会・学校・職場など身近な組織)を齊(ととの)えるには、一家の主人が男の道(陽の役割を発揮すること)で正しく家人を導くことは基(もと)より、婦人が率先して女の道(陰の役割を発揮すること)を固く守ることが肝(かん)要(よう)である。

彖曰、家人、女正位乎内、男正位乎外。男女正、天地之大義也。家人有嚴君焉。父母之謂也。父父、子子、兄兄、弟弟、夫夫、婦婦、而家道正。正家而天下定矣。
○彖に曰く、家人は、女、位(くらい)を内に正しくし、男、位を外に正しくす。男女正しきは、天地之(の)大義也。家人には嚴(げん)君(くん)有り。父母の謂(いい)也。父は父たり子は子たり、兄は兄たり弟は弟たり、夫は夫たり婦(つま)は婦たり、而(しか)して家(か)道(どう)正(ただ)し。家を正しくして天下定まる。
 彖伝は次のように言っている。家人は女(六二)が内で女の道(陰の役割を発揮すること)を固く守り、男(九五)が外で男の道(陽の役割を発揮すること)を固く守る時。
 各(おの)々(おの)その(陽と陰の)道を固く守ることは天地(陽と陰)の大義である。そもそも家の中には威厳のある君主・家長(陽の役割)が居て、それは父母である。父は父(陽は陽)らしく子は子(陰は陰)らしく、兄は兄(陽は陽)らしく弟は弟(陰は陰)らしく、夫は夫(陽は陽)らしく妻は妻(陰は陰)らしく、各々その(陽と陰の)道を固く守るから、家の中は正しく治まるのである。先(ま)ず家の中をしっかり治めるから天下も治まるのである。

象曰、風自火出家人。君子以言有物、而行有恆。
○象に曰く、風(かぜ)、火より出(い)づるは家人なり。君子以(もつ)て言(げん)物(もの)有(あ)り、而(しか)して行(おこない)恆(つね)有(あ)り。
 小象伝は次のように言っている。風(外・上)は火(内・下)から起こる。台所でコンロ(内・下)に火を付けるから熱風が鍋(外・上)に伝わり水が沸騰して調理することができる。治国平天下(外・上)は齊家(内・下)に由(よ)るのが家人の形である。
 君子はこの(あらゆる事が内・下から外・上に及ぶ)形に見習って、まずは自ら(内・下)を修めるべく言葉は至(し)誠(せい)を貫き、行いは久しく恆(つね)を守って、社会(外・上)に善き影響を及ぼすことを志すのである。。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)夫(陽的存在)は明智・明德を具えており、妻(陰的存在)は夫(陽的存在)に従う。家族(組織内の人々)仲睦まじく、家事(組織内の運営)はスムーズに運び、心安らかな時である。
○大勢の人々と交際して仲良くなり、まるで家族のような親密な関係を築き上げられる時である。
○本業を固く守れば、漸次に豊かになり、幸運を招き寄せる時である。
○家の中(組織の内部)で事を為せば成功する。家(組織)を出て事を為せば失敗する。
○物価は始め上がってその後下がる。売買が成功しやすい時。