毎日連載! 易経を中心に日本の心に関する情報を毎日アップしています。

易経(周易)を読み解く 五七(雷地豫 全体)

十六 雷地豫 ‥‥―震雷 ‥‥‥坤地
互卦 三一澤山咸  綜卦 十五地山謙  錯卦 九風天小畜
豫、利建侯行師。
○豫(よ)は、侯(きみ)を建(た)て師(いくさ)を行(や)るに利(よろ)し。
 豫は悦び楽しむ時である。一陽九四に五陰が順い動く。地中に潜蔵していた陽気が雷動(春雷)で地上に出て、草木は芽を出し、花が咲き、天地萬物悦楽する。
 喜び楽しむ豫の時は、諸侯を建てて(側近に任せて)兵を動かす(組織を運営する)が宜しい。諸侯(側近)は民(部下や民衆)を悦楽させ、兵(組織)は暴逆を討伐(組織に対する反逆を制圧)する。

彖曰、豫剛應而志行。順以動豫。豫順以動。故天地如之、而況建侯行師乎。天地以順動、故日月不過而四時不忒。聖人以順動。則刑罰清而民服。豫之時義、大矣哉。
○彖に曰く、豫は剛(ごう)應(おう)ぜられて志行なわる。順以て動くは豫なり。豫は順以て動く。故に天地も之(かく)の如(ごと)し、而(しか)るを況(いわ)んや侯(きみ)を建(た)て師(いくさ)を行(や)るをや。天地は順以て動く、故に日(じつ)月(げつ)過(あやま)たずして四(しい)時(じ)忒(たが)わず。聖人順以て動く。則(すなわ)ち刑罰清くして民(たみ)服(ふく)す。豫の時(じ)義(ぎ)大(だい)なる哉(かな)。
 彖伝は次のように言っている。豫は一陽九四に五陰が応じて側近九四の志が成し遂げられる。天地の道に順い動くのが豫の時。「順以て動く(柔順に従って行動する)」ことが豫の性質である。天地が生成発展するのは順以て動くからである。
 諸侯を建てて(側近に任せて)兵を動かす(組織を運営する)には、「順以て動く(柔順に従って行動する)」性質に拠(よ)らねばならぬ。
 天地は順以て動き(柔順に従って行動するから)生成発展する。それゆえ日(じつ)月(げつ)の運行を過(あやま)つことなく、四季の循環を違(たが)うことはない。聖人も順以て動き(天地の道に柔順に従って行動するから)政治を施すことができる。天地の道に柔順に従って清く正しく刑罰を執行すれば民(たみ)は帰服する。豫の時の意義は何と偉大なことであろうか。

象曰、雷出地奮豫。先王以作樂崇德、殷薦之上帝、以配祖考。
○象に曰く、雷の地を出でて奮(ふる)うは豫なり。先王以て樂を作り德を崇(たつと)び、之を上帝に殷(いん)薦(せん)し、以て祖考を配す。
 大象伝は次のように言っている。地(ち)中(ちゆう)に潜(せん)蔵(ぞう)していた陽気が雷(らい)動(どう)により地上に奮(ふる)い出て雷(らい)鳴(めい)轟(とどろ)くのが豫の形ある。昔の王様はこの形に倣(なら)って音楽を制作して德を尊(そん)崇(すう)し、天の神を祭る際に祖先(亡父を含む)を合(ごう)祀(し)したのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)万事、自分が思っている通りになり、心の思うままに何事も調和する。一つ一つのことが楽しくて仕方がない。そのような時だから、知らず知らずのうちに、怠る気持ちが心の中に芽生えて、少しずつ、少しずつ、崩れかねない時。それゆえ、外面を飾ることを慎み、怠けて遊ぶことがないように戒め、安定した状態の中に居ても、常にリスクに備え、富貴の立場に在っても、貧賤の立場に在った頃のことを忘れず、常に己の志を胸に抱いて、志に沿った言行を心がけなければならない。以上のようであれば、吉運を保つことができる。
○運氣が盛んな時。自分より地位が高い人から目をかけられ、権威に与る(権威の恩恵を受ける)時である。
○成功することを急がず、物事の順序をきちんと守って、事業を行なえば(勤務すれば)、大成功する。
○自分が正しい事を実行しようとしている時に、逆らおうとする人物が出てきたら、直ちに、力で征服してもよい(征服すべき)時。
○家の主(組織のトップ)は弱々しいけれども、良き妻(優れた側近)が補佐してくれるので、よく治めることができる時。
○才能ある人物を抜擢任用、大事業を一任し、よい結果が得られる時。
○規則を定め、組織のルールを確立して、将来揉め事が起きないように事前に準備しておく時。 ○発達する予兆が現われる。
○お祭り事(祭祀)に関して占った時は吉。
○怠惰が原因となり、事業が廃止に追い込まれる予兆が現われる。
○遊び事や楽しみ事に心を奪われて、事業を怠る。
○遊戯(遊び回ること)や鳴り物(どんちゃん騒ぎ)など、ろくでもないことを好きになる時。 ○怠けて豫楽に溺れかねない時。
○盗賊に備えなければならない(犯罪に巻き込まれることを事前に防止しなければならない)時。
○物価が上がり商品がドンドン流通して、資金的にゆとりができる。