初六 ‥‥― ‥‥‥ (雷地豫) 之卦 五一震爲雷
初六。鳴豫。凶。
○初六。鳴(めい)豫(よ)す。凶。
初六は才德乏(とぼ)しく卑(いや)しい身分(陰爻陰位で最下)に在(あ)りながら、衆(しゆう)陰(いん)(全ての陰爻を)率(ひき)いる豫(よ)の主(あるじ)九四(初六と応じる関係)に寵(ちよう)愛(あい)され、悦(えつ)楽(らく)の余り声(こわ)色(いろ)を発して人に誇(ほこ)る。このような有(あり)様(さま)では家を失い身を滅ぼし破滅することになる。
象曰、初六鳴豫、志窮凶也。
○象に曰く、初六の鳴(めい)豫(よ)は、志窮(きわ)まりて凶なる也(なり)。
小象伝は次のように言っている。初六は衆(しゆう)陰(いん)(全ての陰爻を)率(ひき)いる豫(よ)の主(あるじ)九四(初六と応じる関係)に寵(ちよう)愛(あい)され、悦楽の余り声(こわ)色(いろ)を発して人に誇る。
志が脆(ぜい)弱(じやく)なので悦(えつ)楽(らく)に耽(ふけ)り、自ら破滅するのである。
【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇見識の優れた朋友がチャンスを掴んで、立身出世した姿を見て、自分は才能が乏しく世間から必要とされる存在ではないことを知らず、自分もチャンスを掴めば立身出世して幸福になると空想する。空想して勝手に喜び他人に自慢するが、立身出世できずに、困窮する。
○確乎不抜の志を心に抱いて、自分の実力で世に立つことを心がけるべきである。そのようであれば、応爻の九四に目をかけられて立身出世することもできる。
○地位の高い人から目をかけられ、調子に乗って、私利私欲を貪(むさぼ)ろうとする。
○他の人から助けられる自分のあり方に甘えて、本来やるべき仕事を怠ってしまう。
以下省略。次の書籍をご覧ください。