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易経(周易)を読み解く 五九(雷地豫 四五上)

九四 ‥‥― ‥‥‥ 之卦 二坤爲地
九四。由豫。大有得。勿疑。朋盍簪。
○九四。由(ゆう)豫(よ)す。大いに得る有り。疑(うたが)う勿(なか)れ。朋(とも)盍(あ)い簪(あつ)まる。
 九四は才德を具えた豫(よ)楽(らく)の主(あるじ)である。衆(しゆう)陰(いん)を率(ひき)いて天下を治めるので、上下萬(ばん)民(みん)大いに豫楽を得る。六五の天子・トップの補佐役・側近として、嫉妬と疑惑が蠢(うごめ)く厲(あやう)い地位に在るが、決して人を疑ってはならぬ。
 至誠を尽くせば同志が集い、豫(よ)楽(らく)の時を助け合う。至誠を失えば…

象曰、由豫、大有得、志大行也。
○象に曰く、由(ゆう)豫(よ)す、大いに得る有りとは、志大いに行われる也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。九四が衆陰を率(ひき)いて天下を治めるので、上下萬(ばん)民(みん)大いに豫(よ)楽(らく)を得るのは、天下を治めて豫楽を施(ほどこ)そうとする九四の志が成し遂げられた(至誠を尽くした)からである。至誠を失えば…

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)陽剛の才能を具えて、柔順で中庸の徳を具えた君主に仕え、大勢の民衆から信望を得ている。周りから嫉(ねた)まれて危険な地位に居る。名誉や権力を手に入れようとするような野心がなく、大衆に楽しい社会を享受してもらいたいという志を持っていれば、周りの人々から嫌われない。占ってこの爻が出たら、己の利益のために、大事業を成し遂げようとしてはならない。
○時の人として、あらゆる負担を担う時でもある。
○長年の苦労が報われて、大いに喜びを得られる時である。
○周りの人々(親戚や朋友)とよく交流して、何か事を為そうとした時に、信望を得て応援を受けられる時である。
○地位の高い人(上位の人)や部下・お客様(下位の人)から支援されて、事に臨む時である。

六五 ‥‥― ‥‥‥ 之卦 四五澤地萃
六五。貞疾。恆不死。
○六五。貞(てい)にして疾(や)む。恆(つね)にして死せず。
 六五の天子(トップ)は補佐役(側近)九四に制御されて、豫(よ)楽(らく)に耽(たん)溺(でき)することができずに、慢性化した憂(うれ)いが常にある。常に九四に制御される運命から逃れることはできないが、天子(トップ)の地位を失うことはない。

象曰、六五貞疾、乘剛也。恆不死、中未亡也。
○象に曰く、六五の貞(てい)にして疾(や)むは、剛に乘(じよう)ずれば也(なり)。恆(つね)にして死せざるは、中(ちゆう)未(いま)だ亡(ほろ)びざれば也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。六五が九四に制御されて、豫(よ)楽(らく)に耽(たん)溺(でき)することができずに、慢性化した憂(うれ)いが常にあるのは、九四の剛に乗じているからである。
 常に九四から制御される運命から逃れることはできないが、天子(トップ)の地位を失わないのは、六五が中(ちゆう)庸(よう)の德(時に適合する性質)を失わないからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)位は高い(トップリーダー)が、常に側近(ナンバーツー)の力に頼っており、何事も自分の思い通りにはならない。慢性化した憂いがあり楽しむことができない。終には発病してしまう。側近(ナンバーツー)に支援してもらい、共に事を成し遂げようとすれば志は実現する。トップの位に在るが、時運は側近(九四)に握られている。
○喜んで事を成し遂げようとするが、喜びに溺れて遂には失墜する。
○部下の権威に圧倒されて、常に慢性化した憂いを抱く。
○自分の意見を通そうとせずに、賢い人々の意見を務めて用いる。
○お酒に溺れて、病気になってしまいかねない時である。

上六 ‥‥― ‥‥‥ 之卦 三五火地晉
上六。冥豫。成有渝、无咎。
○上六。冥(めい)豫(よ)す。成(な)れども渝(かわ)る有れば、咎(とが)无し。
 上六は豫(よ)楽(らく)の極(きよく)点(てん)で長期間豫楽に耽(たん)溺(でき)しているので、健全な心を喪失している。豫楽が極(きわ)まれば悲哀に変ずる天理を知らない愚(おろ)か者である。
 豫楽に耽(たん)溺(でき)している己の愚かさを覚(さと)り、心を入れ替えれば、更生することができる。

象曰、冥豫在上。何可長也。
○象に曰く、冥(めい)豫(よ)して上に在り。何ぞ長(なが)かる可(べ)けん也(や)。
 小象伝は次のように言っている。豫(よ)楽(らく)が極まれば悲哀に変ずる天理を知らない愚か者が豫の極点に居る。豫楽の時を長く続けることは、誰にもできないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)悦楽に耽り、酒色に溺れ、恥じることがなければ、終には死に至る。酒色を節制して、淫欲を慎む心があれば、心身共に健全を保つことができる。死に至ることはない。傾きかけた家は、再び繁栄するようになって、盛運を招き寄せる望みがある。速やかに、今犯している過ちに気付き、改めるべきである。
○放(ほう)蕩(とう)を重ねて落ちぶれ、後悔する時である。