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易経(周易)を読み解く 四一(天沢履 四五上)

九四 ――― ‥―― 之卦 六一風澤中孚
九四。履虎尾。愬愬終吉。
○九四。虎の尾を履(ふ)む。愬(さく)愬(さく)たれば終(つい)に吉。
 九四は不中正(陽爻陰位で踏み込みが足りない)だが、才德(才能と人德)高く柔和な性格である。カリスマ天子に仕える側近(大臣)という虎の尾を履むような危険な地位に居て、不義を諫(いさ)めるリスクが高い役割を担っている。
 戦(せん)々(せん)兢(きよう)々(きよう)と戒(かい)慎(しん)恐(きよう)懼(く)して柔和に事に対処すれば、終(つい)には幸運を招き寄せる。
象曰、愬愬終吉、志行也。
○象に曰く、愬(さく)愬(さく)たれば終(つい)に吉とは、志行なわるる也。
 小象伝は次のように言っている。九四は戦(せん)々(せん)兢(きよう)々(きよう)と戒(かい)慎(しん)恐(きよう)懼(く)して柔和に事に対処するから、終には幸運を招き寄せる。
 カリスマ天子に仕える側近(大臣)としての志を全うするからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)温和に人と接して、篤実に事に中れば、危険を回避することができる。運気が安定している時である。
○危険はあるが、畏れる心と敬する心があれば、吉運を招き寄せる。
○人を敬し、また人から敬される時である。
○色情(情欲)が深くなるので、慎まなければならない。

九五 ――― ‥―― 之卦 三八火澤睽
九五。夬履。貞厲。
○九五。夬(さだ)めて履(ふ)む。貞(てい)なるも厲(あやう)し。
 九五は剛健中正のカリスマ天子(トップ)だが応比がない。これは、臣下(部下)が心から帰服していないことを現している。カリスマ天子(トップ)の権勢に胡座をかいて、臣下(部下)の意見に耳を傾けず、独断で組織の運営を決断・運営している。
 例え、その決断が正しくても、独(ひと)り善(よ)がりに陥って、謀反が起きる危険がある。
象曰、夬履、貞厲、位正當也。
○象に曰く、夬(さだ)めて履(ふ)む、貞なるも厲(あやう)しとは、位正しく當(あた)れば也。
 小象伝は次のように言っている。九五はカリスマ天子(トップ)の権勢に胡座をかいて、臣下(部下)の意見に耳を傾けず、独断で組織の運営を決断・運営している。
 例え、その決断が正しくても、独(ひと)り善(よ)がりに陥って、謀反が起きる危険がある。天子(トップ)の地位を保ち続けるためには君德を磨き続けることが必要である。カリスマ天子(トップ)の権勢に胡座をかいて君德を失えば、謀反が起きて失脚しかねない。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)数年間続いた困苦が今に至ってようやく解け、青雲が開ける時。これまで困苦が続いたことを深く反省し、ますます恭しく、柔順であることを心がけ、調和と正しさを取り戻さなければならない。そうでなければ、今の地位を長く保つことはできない。
○願望を至誠の心で実現すれば、事を成し遂げられる。
○自分から求めていないのに、時が到来することがある。
○出処進退は吉運。昇進が実現する時である。
○自分の決断を過信して、諫言を聞き入れない時は危険を招き寄せる。

上九 ――― ‥―― 之卦 五八兌爲澤
上九。視履考祥。其旋元吉。
○上九。履(り)を視(み)て祥(しよう)を考(かんが)う。其れ旋(めぐ)れば元吉。
 剛柔備えた(陽爻陰位)上九は、これまで(初九から九五に至るまでに)やってきたことを省みて禍(か)福(ふく)(凶と出たか・吉と出たか)に至った機微(微かな兆し)を考察する。
 最初から最後まで何の問題もなく、これからも、善(ぜん)行(こう)を積み上げて行けば、大いなる幸福を招き寄せる。
象曰、元吉在上、大有慶也。
○象に曰く、元(げん)吉(きつ)にして上(うえ)に在(あ)り、大いに慶(よろこ)び有る也。
 小象伝は次のように言っている。これまでやってきたことを省みて、最初から最後まで何の問題もなく、これからも、善(ぜん)行(こう)を積み上げて行けば、大いなる幸福を招き寄せる。以上のようであれば、今も未来も大いなる慶びを得るであろう。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)願望を成し遂げて、心身とも安楽な時である。自分よりも優れている人が、自分より下の地位にいることもある。よくよく思慮して目下の人を厚く処遇し賢人を抜擢すべきである。そのように対処すれば、今の地位を長く保つことができて、大いなる吉運を招き寄せる。
履の極点に居るので、これ以上進んで行こうとは思ってはならない。志半ばの頃の自分を思い出し、欲望を制御して、温厚な人格となり、平和を大切にして、今の地位を保つべきである。
○過ちを悔いて反省すれば、物事は調和して吉運を招き寄せる。
○糸が縺(もつ)れたような苦労が去って、安心できる。
○万事、幸福を招き寄せる。
○安心できないような感じで、意外と安心できる。
○周りの人を大切にすれば、大いに吉運を招き寄せる。
○自分を戒め慎んで、災難を免れる。
○(善くも悪しきも)人に馴れる時。
○世間の人から才能高い賢者と称される。ますます心を磨き、人間として成長すべきである。