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易経(周易)を読み解く 百二(澤山咸 初二三)

初六 ‥―― ―‥‥ (澤山咸)之卦 四九澤火革
初六。咸其拇。
○初六。其(そ)の拇(おやゆび)に咸(かん)ず。
 初六は陰柔不中正で最下に居る。正応九四に応じて動こうとするが、感ずる時の始めだから感じるところがまだ弱く、足の親指がむずむずするだけで動き出すには至らない。感じるところが強ければ、正応九四に応じて動くはずだが、感じるところが弱いので動かないのである。だから、何も起こらない。よって善悪吉凶の判断をしない。
象曰、咸其拇、志在外也。
○象に曰く、其(そ)の拇(おやゆび)に咸(かん)ずとは、志外(そと)に在(あ)る也。
 小象伝は次のように言っている。足の親指がむずむずするだけで動き出すには至らない。外卦の正応九四に応じて動こうとする志はあるが、感ずる時の始めだから感じるところがまだ弱く、足の親指がむずむずするだけで動き出すには至らないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)人と初めて接する時は言葉を慎しむべきである。人を感動させるのは初対面の時の印象が肝心である。真心から接すれば、相手もまた真心で応じてくれる。
○目上の人から引き立てられて、幸福を得られる時である。
○何事も真心と慎みの心を尽くして人と接するべし。

六二 ‥―― ―‥‥ (澤山咸)之卦 二八澤風大過
六二。咸其腓。凶。居吉。
○六二。其(そ)の腓(こむら)に咸(かん)ず。凶。居(お)れば吉(きつ)。
 六二は柔順中正で九五のトップと応じているが、六二はふくらはぎ(腓(こむら))のように自分の意思では動くことができないので、九五が遠いのを疎(うと)んじて近くの九三に従おうとする。六二が比する九三に従えば災難を招き寄せる。正応九五が六二を求めるまで比する九三に従うことを止(とど)めることができれば幸福を招き寄せる。六二は自分の意思では動くことができないが、正応九五に求められれば動くことができるのである。
象曰、雖凶居吉、順不害也。
○象に曰く、凶なりと雖(いえど)も居(お)れば吉(きつ)とは、順なれば害あらざる也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。六二が比する九三に従えば災難を招き寄せるが、正応九五が六二を求めるまで九三に従うことを止めることができれば幸福を招き寄せる。持ち前の柔順中正の道を守って軽(けい)挙(きよ)妄(もう)動(どう)しなければ災難を回避できるのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)速やかに事が運ばない時に、目上の人から引き立てられる。
しかし、自ら他人と組んで事を起こそうとすると凶運を招き寄せる。静かに目上の人から引き立てられるのを待つべし。
○現状維持に徹するべし。
○動けば凶運を招き、静かにしていれば吉運を招く。

九三 ‥―― ―‥‥ (澤山咸)之卦 四五澤地萃
九三。咸其股。執其隨。往吝。
○九三。其(そ)の股(もも)に咸ず。其(そ)の隨(したが)うを執(と)る。往(ゆ)けば吝(りん)。
 九三はもも(股(もも))のように、自分の意思の通りに動くことができない(足が動くのに従って「もも(股(もも))」や「ふくらはぎ(腓(こむら))」)。そこで、遠くに居る正応上六を疎(うと)んじて、近くに居て己に随(したが)う六二と感応する。九三は下卦艮の主爻ゆえ、本来、正応上六が求めるまではどっしりと止まっているべきなのに、先ず近くに居て己に随(したが)う六二と感応してしまい、その後上六に求められて往(ゆ)くようならば、その優柔不断さを恥じるべきである。
象曰、咸其股、亦不處也。志在隨人、所執下也。
○象に曰く、其の股に咸ずとは、亦處(お)らざる也。志(こころざし)人に隨(したが)うに在り、執(と)る所下(しも)なる也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。九三が遠くに居る正応上六を疎んじて、近くに居て己に随(したが)う六二と感応するのは、その位に素する(下卦艮の主爻として正応上六が求めるまではどっしりと止まっている)ことができないからである。
 正応上六が求める前に近くに居て己に随(したが)う六二と感応してしまい、その後上六に求められて往(ゆ)くという優柔不断さは、人から見下されても仕方がない見識のなさである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)自主・自立の力はあるが、他に頼る人がいるので、自力で切り開く意欲を忘れてしまった人物。咸の内卦の主爻で外卦に応じている。「股(もも)に咸ず」は、男女交際の隠語であり、少男が少女と親しみ、うっとりするあまりに普段の剛氣を失っている時。本来の自分の力を全く発揮できずに苦労する。猛省しなければならない。
○人の助けを借りて勢いを得る時。
○何事にも集中できない時。
○自分を守ることができない時。