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易経(周易)を読み解く 百三(澤山咸 四五上)

2021年12月6日

九四 ‥―― ―‥‥ (澤山咸)之卦 三九水山蹇

九四。貞吉悔亡。憧憧往来、朋從爾思。
○九四。貞(ただ)しければ吉にして悔(くい)亡(ほろ)ぶ。憧(しよう)憧(しよう)として往(おう)来(らい)すれば、朋(とも)爾(なんじ)の思いに從(したが)う。
 九四の大臣(九五の側近)は剛健不中正(陽爻陰位)で優柔不断である。九三(股(もも))と九五(脊(せき)柱(ちゆう)・脢(せじし))の間に居るから心臓或(ある)いは心に喩(たと)える。すなわち、九四は心臓或(ある)いは心に喩(たと)えられるから、感ずる道を説く咸の成卦主(主人公)である。それゆえ正しい道を固く守れば宜しきを得て、後悔することもない。
 けれども、九四は正応初六と心(こころ)彷徨(さまよ)いながら往来する(初六は感じるところが弱いのでなかなか動かないので手こずる)。柔順な初六は九四に随って動き出すが、不正同志なので、広く民と感応することはできない。
象曰、貞吉悔亡、未感害也。憧憧往来、未光大也。
○象に曰く、貞(ただ)しければ吉にして悔(くい)亡(ほろ)ぶとは、未(いま)だ感の害あらざる也。憧(しよう)憧(しよう)として往来するは、未(いま)だ光(こう)大(だい)ならざる也。
 小象伝は次のように言っている。正しい道を固く守れば宜しきを得て、後悔することもない。言行が正しくて邪(じや)心(しん)がなければ、感応の道を外れないのである。正応初六と心(こころ)彷徨(さまよ)いながら往来しても、広く民(たみ)と感応することはできない。すなわち、大臣・側近としての役割は全うできないのである。
【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇大雑把な人が毎日細かいことに気を遣って、君子や小人の隔てなく、誰に対しても、にこやかに対応しようとする。どんな小さな事にも心を配るので、精神的に疲れ切ってしまう恐れがある。物事には大小軽重がある。それを察することなく苦労するのは、頭の悪い証拠である。目下の人を助けようとして、世話を焼く時でもある。
○憧れを抱いてウロウロするが、不正なことに手を染める。私心に従えば、同類の友達と逢うが、遠くまで行くことはできない。

以下省略。次の書籍をご覧ください。