毎日連載! 易経を中心に日本の心に関する情報を毎日アップしています。

易経(周易)を読み解く 四(易経の基礎知識)

◆六十四卦の正しい爻(こう)位(い)(正位)と正しくない爻(こう)位(い)(不正)
 奇数の爻(初・三・五)に―陽爻が位置しているのを正位と云い、偶数の爻(二・四・上)に‥陰爻が位置しているのを不正と云う。正位を善し、不正は善くないと考える。
 正  正  正   正  正  正
 ‥  ―  ‥   ―  ‥  ― (水(すい)火(か)既(き)済(せい))
 不正 不正 不正  不正 不正 不正
 ―  ‥  ―   ‥  ―  ‥ (火(か)水(すい)未(び)済(せい))
 全て正位の六十四卦は「水(すい)火(か)既(き)済(せい)」、全て不正の六十四卦は「火(か)水(すい)未(び)済(せい)」である。

◆六十四卦における「中」と「不中」の概念
 「中」とは「中庸」の略で、「中庸」とは、「その時々に最も適切に対応できる」ことである。上卦と下卦の真ん中に位置している二爻と五爻を「中」と云い、「中庸」の徳を具えていると考える。二爻や五爻よりも上にある上爻と三爻は「過ぎたる」存在で、「やり過ぎる」性質を具えている二爻や五爻よりも下にある四爻と初爻は「及ばない」存在で、「物足りない」性質を具えている。

  過  中 不及   過  中 不及
  ‥  ―  ‥   ―  ‥  ―

◆六十四卦における「応」と「比」の概念
 上卦と下卦の同じ位置にある爻が陰陽の関係にある場合、その二つの爻は「応」じている関係にあると考える。「応」じている関係とは、親子、夫婦、恋人など深い関係である。また、上下にある爻が陰陽の関係にある場合、その二つの爻は「比」している関係にあると考える。「比」している関係とは、友達、同級生、同僚など浅い関係である。
 左の場合は、初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と上爻の全てが応じており、初爻と二爻、二爻と三爻、三爻と四爻、四爻と五爻、五爻と上爻の全てが比している。
   ‥ ― ‥  ― ‥ ― (六三 水(すい)火(か)既(き)済(せい))
 左の場合は全ての爻が応じても比してもいない。
   ― ― ―  ― ― ― (一 乾(けん)為(い)天(てん))
   ‥ ‥ ‥  ‥ ‥ ‥ (二 坤(こん)為(い)地(ち))
 右の場合であっても、「応」ずる、あるいは、「比」する位置にある爻と爻が、志を同じくする場合は、応ずる関係や比する関係が成立する場合(乾為天の二爻と五爻や坤為地の二爻と五爻など)もある。

◆六十四卦における「卦(か)主(しゆ)」と「正(せい)卦(か)主(しゆ)」
 「卦(か)主(しゆ)」とは、その物語において最終的な意思決定権を有する者である。ほとんどの物語では組織におけるトップの地位にある五爻が「卦(か)主(しゆ)」である。「正(せい)卦(か)主(しゆ)」とは、その物語の主人公である。例えば、右に見た「一 乾為天」の場合は、「卦(か)主(しゆ)」「正(せい)卦(か)主(しゆ)」共に五爻である。「二 坤為地」の場合は、「卦(か)主(しゆ)」は五爻で、「正(せい)卦(か)主(しゆ)」は二爻である。

◆本(ほん)卦(か)と互(ご)卦(か)
 本卦とは、占(せん)筮(ぜい)して(筮(ぜい)竹(ちく)やコインやカードなどで占って)得た卦や任意に選んで得た卦である。「水(すい)火(か)既(き)済(せい)」を本卦とした場合、「水(すい)火(か)既(き)済(せい)」の上爻と初爻を除き、五爻・四爻・三爻を上卦、四爻・三爻・二爻を下卦としたのが互卦「火(か)水(すい)未(び)済(せい)」である。
  本卦 ‥  ―  ‥   ―  ‥  ― 「六三 水(すい)火(か)既(き)済(せい)」
     上爻 五爻 四爻  三爻 二爻 初爻
  互卦 ―  ‥  ―   ‥  ―  ‥ 「六四 火(か)水(すい)未(び)済(せい)」
 本卦の上爻と初爻は、物語の容れ物である。容れ物を除き、容れ物の中身を抽出したのが互卦である。すなわち、「完成した時」を意味する「水(すい)火(か)既(き)済(せい)」の容れ物を除いて中身を抽出したのが、「未完成な時」を意味する「火(か)水(すい)未(び)済(せい)」である。つまり、完成した時(水(すい)火(か)既(き)済(せい))の中身は未完成な時(火(か)水(すい)未(び)済(せい))なのである。