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易経(周易)を読み解く 八七(山天大畜 全体)

二六 山天大畜 ―‥‥艮山 ―――乾天
互卦 五四雷澤歸妹  綜卦 二五天雷无妄  錯卦 四五澤地萃
大畜、利貞。不家食吉。利渉大川。
○大畜は貞(ただ)しきに利(よろ)し。家(か)食(しよく)せず。吉。大(たい)川(せん)を渉(わた)るに利(よろ)し。
 大畜は天(下卦乾)が山(上卦艮)の中に在(あ)り、至って大きなものを止(とど)め貯(たくわ)え養っている。人事で観れば、君子が大きな才德(才能と道德心)を止め貯え養っている。正しい道(滅私奉公)を固く守るが宜しい。自分の家に引き籠もらず(己のために図らず)、勇敢に社会に出て、世のため人のため、お国のために尽くせば、天下の艱難を救済することもできる。大きな才德(才能と道德心)を止め貯え養ったのだから、難事業に取り組んでも宜しい。

彖曰、大畜、剛健篤實輝光、日新其德。剛上而尚賢、健止能。大正也。不家食吉、賢養也。利渉大川、應乎天也。
○彖に曰く、大畜は剛健篤(とく)實(じつ)にして、輝(き)光(こう)日々に新たなり。其(そ)の德、剛上(のぼ)りて賢を尚(たつと)び、能(よ)く健を止(とど)む〔能く健にして止(とど)まる〕。大いに正しき也。家(か)食(しよく)せず、吉とは、賢を養(やしな)う也。大(たい)川(せん)を渉(わた)るに利(よろ)しとは、天に應(おう)ずる也。
 彖伝は次のように言っている。大畜は剛健(乾)にして篤実(艮)。天德は光り輝き、日々新たに磨かれる。六五の天子は上九の顧問を尊(たつと)びその教えによく順い正しい道を施して不義を畜(とど)める。君子が大きな才德(才能と道德心)を止め貯え養っているのだから、大いに正しいのである。自分の家に引き籠もらず(己のために図らず)、勇敢に社会に出て、世のため人のため、お国のために尽くせば、天下の艱難を救済することもできる。六五の天子が賢人を貴びよく養い任用するからである。大きな才德(才能と道德心)を止め貯え養ったのだから、難事業に取り組んでも宜しい。天の道(己のために図らず、世のため人のために尽くすこと=滅私奉公)に適っているからである。

象曰、天在山中大畜。君子以多識前言往行、以畜其德。
○象に曰く、天、山の中に在(あ)るは大畜なり。君子以(もつ)て多く前(ぜん)言(げん)往(おう)行(こう)を識(しる)して、以て其(そ)の德を畜(たくわ)う。
 大象伝は次のように言っている。天(乾)の元氣が山(艮)の中に蓄え養われて在るのが大畜の形である。君子はこの形に倣(なら)って、古(いにしえ)の賢(けん)者(じや)の言(げん)行(こう)を体得し、見(けん)識(しき)を胆(たん)識(しき)に高めるべく努力したように、日々人德を磨いて世のため人のために尽くす準備をする。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)困難を乗り越えて、事業が成就する。学問に優れ、経験も豊富、多くの困難を乗り越えた経験がある人は成功する。
○礼儀(調和を図ること)を大切にして、人々に恵みの心で施すように心がければ、利益を得られる。
○健やかさを維持するのに適した時である。
○あらゆる事が滞らないように心がければ、物事が思い通りに進み、利益を得られる時である。
○大畜の時は蓄える時、養う時、止める時である。
○貯えて積み上げれば、大きく成長する。立派な人(大人)は必ず吉運の兆しが現れる。天下に名を知られる時でもある。
○事を企てる(新規事業を立ち上げる)ことに適している時である。
○社会に出て人や企業(組織)に仕えることで吉運が開ける時。
○漸進、進出、浸入することが、時に中っていれば吉運が開ける。
○学問が発達する時である。
○占って、下卦三爻が出たら、進むことを戒め、上卦三爻が出たら、止まることが肝要である。
○上九変ずれば之卦「地天泰」となり、物事が通達する兆しが現れる。