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易経(周易)を読み解く 三(易経の基礎知識)

2021年11月15日

易経の基礎知識

□六十四卦と八卦の三(さん)才(さい)(天(てん)地(ち)人(じん))
 六十四卦と八卦には次のように三才(天地人)が当て嵌められている。

〇六十四卦の場合 ‥― ‥― ‥―
 上(じよう)爻(こう)・五(ご)爻(こう)(上から二つの爻‥―)が「天」、四(よん)爻(こう)・三(さん)爻(こう)(真ん中二つの爻‥―)が「人」、二(に)爻(こう)・初(しよ)爻(こう)(下から二つの爻‥―)が「地」となる。
 六十四卦の始め(目次の筆頭)に位置する乾(けん)為(い)天(てん)では、初爻が潜(せん)龍(りゆう)(地の下に潜んでいる龍)、二爻が見(けん)龍(りゆう)(地上に現れた龍)、三爻が君子(立派な人)、四爻が躍(おど)り淵(ふち)に在る人、五爻が飛(ひ)龍(りゆう)(大空・天に飛翔した龍)、上爻が亢(こう)龍(りゆう)(大空・天から墜ちていく龍)と云うように、各爻に当て嵌められた天地人に沿って物語が描かれている。

〇八卦の場合 ‥ ― ‥
 上の爻‥が「天」、真ん中の爻―が「人」、下の爻‥が「地」となる。

□六十四卦と八卦の関係
 六十四卦は八卦が重なった形である。左図のように上の八卦を「上(じよう)卦(か)」または「外(がい)卦(か)」と云い、下の八卦を「下(か)卦(か)」または「内(ない)卦(か)」と云う。

    上卦・外卦    下卦・内卦
    ‥ ― ‥    ― ‥ ―

□卦と爻の関係
 ―や‥を「爻」と云う。―は「陽」なので「陽爻」と云い、‥は「陰」なので「陰爻」と云う。
 六十四卦は下から初爻・二爻・三爻・四爻・五爻・上爻と云う。また、陽爻を「九」で表し、陰爻を「六(りく)」で表す。初爻と上爻は「九」または「六(りく)」が「初」または「上」の後に付き、二爻から五爻は「九」または「六(りく)」が後に付く。

     上六 九五 六四   九三 六二 初九
     ‥  ―  ‥    ―  ‥  ―


 六十四卦の物語は、「卦(か)辞(じ)(彖(たん)辞(じ))」に全体の物語が書かれており、「彖(たん)伝(でん)」では「卦(か)辞(じ)(彖(たん)辞(じ))」を掘り下げて解釈している。「大(だい)象(しよう)伝(でん)」には「卦(か)辞(じ)(彖(たん)辞(じ))」と「彖(たん)伝(でん)」に書いてある物語を前提にして、その時に中る(適切に対応)ためには、どうすればよいかが書いてある。
 六十四の物語は「卦(か)辞(じ)(彖(たん)辞(じ))」「彖(たん)伝(でん)」「大(だい)象(しよう)伝(でん)」に書かれている全体の物語と初爻から上爻の「爻辞」や「小象伝」に書かれている小さな物語で成っている。
 小さな物語(爻辞と小象伝)は初爻から始まって、ほとんどは五爻で成就する。上爻は次の物語に移項する時なので不安定な物語になっていることが多い。中には上爻で物語が成就する場合(山(さん)雷(らい)頥(い)や水(すい)風(ふう)井(せい)など)もある。

  六十四卦(一の乾から六四の未済まで)の文章の構成
      卦辞・彖辞 一つの卦の大きな(全体の)物語の解釈が書いてある
      彖伝    卦辞・彖辞を掘り下げて解釈している
      大象伝   一つの卦の時に適切に対処する(時中の)方法が書いてある
      文言伝   (乾と坤についてのみ掘り下げて解釈している)
      爻辞    初爻から上爻までの小さな物語の解釈が書いてある
      小象伝   初爻から上爻までの爻辞を掘り下げて解釈している

□六十四卦における爻(初爻から上爻)と地位・場所の関係

 上爻             五爻         四爻
 組織 会長 相談役 顧問   トップ 代表取締役  側近 役員 取締役
 社会 天皇 皇帝 大統領   首相  総理大臣   内閣 国会 官僚
 家庭 御先祖様        祖父・祖母      父
 事業 次の準備 成果     成就         更に進行

 三爻             二爻         初爻
 組織 現場の長        中堅社員       社員・末端
 社会 役所 大企業      中小企業       国民
 家庭 母           第一子        第二子
 事業 進行          着手         構想・理念