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易経(周易)を読み解く 四七(天地否 四五上)

九四 ‥‥‥ ――― 之卦 二十風地観
九四。有命无咎。疇離祉。
○九四。命(めい)有り、咎无し。疇(たぐい)、祉(さいわい)に離(つ)く。
 九四は剛健だが控え目な大臣(大人九五の側近)。世の中が乱れ崩壊に向っていく否の時が半(なか)ばを過ぎた。天命に順って天子(トップ)に奉公して閉(へい)塞(そく)した世の中を泰平に導く。
 君位に近く(トップの側近として)悪(にく)まれる恐れがあるが、人から咎められるような過失は犯さない。同志(九五・上九)と共に大いなる泰平の福を得る。しかし、まだ否の時は終わっていない。泰の時が到来するまで油断してはならない。
象曰、有命无咎、志行也。
○象に曰く、命(めい)有り咎无しとは、志(こころざし)行なわるる也。
 小象伝は次のように言っている。九四は君位に近く(トップの側近として)悪(にく)まれる恐れがあるが、人から咎められるような過失は犯さない。
 君子(九四・九五・上九の陽)が時を得て閉塞した世を泰平に導くという志が成し遂げられたのである。しかし、まだ世の中が乱れ崩壊に向っていく否の時は終わっていない。泰の時が到来するまで油断は禁物である。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)目上の賢い人に従って、事を為すべきである。徐々に盛運に向かって行く時。朋友と共に幸を得ることもある。
○偶然に朋友となる人と出会い、お互いに志を成し遂げて、喜び合う。
○小人あるいは悪党(盗賊)に攻撃される時でもある。
○天命が味方してくれる時でもある。それゆえ「命(めい)有り、咎无し」と云っている。
○人に教えることによって、その人を悟りに導くこともある。

九五 ‥‥‥ ――― 之卦 三五火地晉
九五。休否。大人吉。其亡其亡、繫于苞桑。
○九五。否(ひ)を休む。大人は吉。其(そ)れ亡(そ)びなん、其れ亡びなん、苞(ほう)桑(そう)に繫(つな)がる。
 九五は剛健中正で尊位に居り、世の中が乱れ崩壊に向っていく否の時を一時止めて、泰平の世を開く。九五が大人ならば時を得て、功を成すことができる。
 否の時は終わったのではない。だから、泰平の世に安んじてはならない。常に「油断すると滅びるぞ、油断すると滅びるぞ」と戒(かい)慎(しん)し、堅(けん)固(ご)な桑の根にしっかり繋(つな)ぎ止めるように、泰平の世を維持する努力を続けて行かなければならない。そもそも、九五が大人でなければ否の時を止めることなどできないのである。
象曰、大人之吉、位正當也。
○象に曰く、大人の吉は、位正しく當る也。
 小象伝は次のように言っている。九五が大人ならば時を得て、功を成すことができる。九五が剛健中正の理想的な天子(トップ)だから為し得る功業である。すなわち、九五が大人だから否の時を一時止めることができたのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)心身共に閉塞する時のピークに至った。その状態から抜け出すために奮い立ち、閉塞状態を打破し、運気を挽回していく時である。よく大人(立派な人)を見倣って、大きな事業を成就させなければならない。勤勉ならば、必ず成し遂げられる。
○よく慎んで、否の閉塞する運氣を跳ね返すべきである。
○小人が立ち塞がって妨害するのを、徐々に跳ね返して、自分の地位を確保する時。
○油断や怠りがあると、閉塞状態を脱することはできず、さらに危ない状態に陥って、歯ぎしりして後悔する。
○よく忍耐して、努力を積み上げれば、やがては運氣が開けていく。

上九 ‥‥‥ ――― 之卦 四五澤地萃
上九。傾否。先否後喜。
○上九。否(ひ)を傾(かたむ)く。先には否(ふさ)がり後(のち)には喜ぶ。
 上九は世の中が乱れ崩壊に向っていく否の終(しゆう)極(きよく)に居て閉(へい)塞(そく)する世の中を終(しゆう)焉(えん)させる。
 八方塞がりで四苦八苦した閉塞の時が漸(ようや)く終り、やがては泰平の世が到来する(六四卦の解釈では否から泰に移行すると考えるが、陰陽消長の解釈ではまだまだ下降してやがて下限に至り、その後地雷復の時を迎えて徐々に上向いて行き、やがて泰の時に至る)。上下陰陽大いに喜ぶ泰の時が、漸(ようや)く到来するのである。
象曰、否終則傾、何可長也。
○象に曰く、否終れば則ち傾く、何ぞ長かる可(べ)けん也(や)。
 小象伝は次のように言っている。世の中が乱れ崩壊に向っていく否の時が終(しゆう)焉(えん)すれば、上下陰陽大いに喜ぶ泰の時が到来する(六四卦の解釈では否から泰に移行すると考えるが、陰陽消長の解釈ではまだまだ下降してやがて下限に至り、その後地雷復の時を迎えて徐々に上向いて行き、やがて泰の時に至る)のが天の道。
 世の中が乱れて崩壊に向っていく否の時が永遠に続くことはない。しかし、萬物は生老病死の道を必ず歩む。泰の時に至る前に、地雷復の時を迎えることができず、崩壊することもあることを胸に刻んでおきたい。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)過去の善からぬ事を反省し、善い事を積み上げれば、勉強することが段々好きになり、徐々に運氣が回復、万事通じるようになる。
○これまでは運氣が閉塞して、心から楽しむことができなかったが、運氣が好転し、これまでには考えられなかったような喜ばしいことに巡り逢う時である。
○これまでには見られなかった新しい動きが始まる時。
○否の時が終焉して、好運に向かって行く。
○絶交していた友と再会して、再び交際が始まる予兆がある。
○毒を用いるような(不穏な)予兆がある。
○久しく行き詰まっていた事が解決して、喜びが訪れる時。