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易経(周易)を読み解く 四六(天地否 初二三)

易経(周易)を読み解く

初六 ――― ‥‥‥ 之卦 二五天雷无妄
初六。抜茅茹。以其彙。貞吉亨。
○初六。茅(ちがや)を抜くに茹(じよ)たり。其(そ)の彙(たぐい)を以(もつ)てす。貞(てい)なれば吉(きつ)にして亨(とお)る。
 初六は閉じ塞(ふさ)がる時の始まりなので、小人が招き寄せる災難の悪影響は微弱である。だが、初六は茅(ちがや)を引き抜くように仲間(六二・六三)と共に悪(小人)の道に進みかねない。ぐっと堪(こら)えて悪の道に進まず、正しい道を貫(つらぬ)けば、やがては泰の時が来る。
象曰、抜茅、貞吉、志在君也。
○象に曰く、茅(ちがや)を抜く、貞なれば吉とは、志(こころざし)君(きみ)に在(あ)る也。
 小象伝は次のように言っている。初六がぐっと堪(こら)えて悪の道に進まず正しい道を貫けば、やがては泰の時が来る。初六は大人九五と側近九四と、同じ志(世の中が乱れ崩壊に向っていく否の時をぐっと堪(こら)えて泰の時が到来するのを待つ)を抱いているからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)善からぬ人物の集団(悪党)に引き入れられかねない時。よく本業を守り、道德を大切にする君子と付き合って、共に目上の尊敬できる人の命令に従って物事を行なえば、吉運を招き寄せる。
○あなたが小人ならば、あなたに相応しい小人が集まってグループ(悪党)を作り、ろくでもないことをやり続ける。
○君子は呆れて、あなた方小人から遠ざかり、今は世に埋もれている理想的な人物を恋い慕う。
○私利私欲に囚われた小人が、善き人物を装って、ありもしない権威をひけらかして大衆を騙し、こっそりと悪事を行なおうとする時。

六二 ‥‥‥ ――― 之卦 六天水訟
六二。包承。小人吉。大人否亨。
○六二。包(ほう)承(しよう)す。小人は吉。大(たい)人(じん)は否(ふさ)がりて亨る。
 六二は柔順中正で九五の大人(天子・トップ)に応じている。上に恭(きよう)順(じゆん)に仕えるので天子(トップ)に寵(ちよう)愛(あい)され社会的地位を得る。だが、今は世の中が乱れ崩壊に向っていく否中の否の時である。六二と九五が小人凡(ぼん)夫(ぷ)なら、悪の道に進んで大成功する。六二と九五が大(たい)人(じん)なら、否の時をぐっと堪(こら)えて泰の時を待つ。やがて泰の時が到来する。
象曰、大人否亨、不亂羣也。
○象に曰く、大人は否(ふさ)がりて亨るとは、羣(むれ)を亂(みだ)さざる也。
 小象伝は次のように言っている。六二と九五が大(たい)人(じん)なら、否の時をぐっと堪(こら)えて泰の時を待つ。やがて泰の時が到来する。
 六二と九五は妄(みだ)りに道義を振り翳(かざ)し(正しさを主張し)て、小人の群(むれ)を乱さない(小人を脅かさない)からである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)あなたが小人ならば、目上の人(これもまた小人)から寵愛されて社会的地位を得られる。「包(ほう)承(しよう)す。天子に恭(きよう)順(じゆん)する」とは、自分の内心は包み隠して、上位の人に媚び諂って寵愛されることを云う。相手の妖しい要請を受け容れて、相手に懐柔されることも「包(ほう)承(しよう)」である。さらに、相手から妖しい贈り物が届き、それを妖しいと知りながら、ついつい受け取ってしまうのも「包(ほう)承(しよう)」である。
占う人は、以上の事をよく知った上で、易占の解釈をしなければならない。型通りに占ってはならない。
六二が出たら、あなたが小人ならば吉運である。あなたが立派な人物、すなわち大人であれば、「否(ふさ)がりて亨る。否と距離を置いて時を待つ」ので、吉運とはならない。
小人に良心を売って私利私欲を満たすのは、本末転倒。そういうことは厳に慎まなければならない。そうでなければ、災いを招き寄せる。
○小人が賄賂を使って、悪事をたくらむ時。
○小人が悪しき智恵を働かせて、愚かな大衆を騙す時。
○小人の心を惹き付け、大衆を巻き込み世論を作り出し、既存の組織や社会を破壊しようとする。
○万事偽物捏造ゆえ、君子からは遠ざけられる時。このことを「包(ほう)承(しよう)す。小人は吉。天子に恭(きよう)順(じゆん)して寵(ちよう)愛(あい)され、社会的地位を得る。否中の否において、小人凡(ぼん)夫(ぷ)は、否に擦(す)り寄って吉を得る」と云う。
○小人の集まりである政府の愚策を、君子が静観している時。このことを「大人は否(ふさ)がりて亨る。大人ならば、否と距離を置いて時を待つ。やがては泰の時が来る」と云う。
○出鱈目な言いがかりを吹っかけて訴えを起こす時。
○小人が私利私欲を貪る時である。

六三 ‥‥‥ ――― 之卦 三三天山遯
六三。包羞。
○六三。羞(はじ)を包(つつ)む。
 六三は才德乏しく悪の道を妄進する非(ひ)道(どう)の小人。世の中が乱れ崩壊に向っていく否中の否は去ったが、悪の道に耽溺して、いつも心の中で悪事を企んでいる。
 否の時の今は威勢がよくても、泰の時が到来すれば追放されるしかない。六三にできることは自分の不善を恥じて悪事を蔽(おお)い隠すことしかない。
象曰、包羞、位不當也。
○象に曰く、羞を包むとは、位當らざれば也。
 小象伝は次のように言っている。六三にできることは自分の不善を恥じて悪事を蔽(おお)い隠すことしかない。才德乏しく妄進する非(ひ)道(どう)の小人(陰柔不中正)六三は、泰の時が到来したら就くべき地位がないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)この爻が出たら、善人をやっつけようとするか、または、悪い(不善な)事をして、そのことを隠しているか、あるいは、小人(悪党)の親玉となって、悪事を企てているか、はたまた、悪人を制御するようなふりをしながら、私利私欲を満たそうとしているか、いずれにしても、ろくな者ではない。凶運。改心するべきである。
○悪事(善からぬ事)を進める時である。
○小人が時間を持て余して悪事を働く時。君子がこの有様を見れば、どんなに取り繕ったところで、すぐばれる。
○小人は善き事を積み上げることができないから、願いを叶えられない。だから「羞(はじ)を包(つつ)む。才德乏しく妄進する非道の小人。心の中で悪事を企み、九四に取り入って、邪心を蔽(おお)い隠している」と云う。
○自分の罪悪を覆い隠そうとする。