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易経(周易)を読み解く 二十(水雷屯 三・四)

六三 ‥―‥ ‥‥― 之卦 六三水火既濟
六三.即鹿无虞。惟入于林中。君子幾不如舎。往吝。
○六三。鹿(しか)に即(つ)きて虞(ぐ)无(な)し。惟(た)だ林(りん)中(ちゆう)に入(い)る。君子は幾(き)をみて舎(や)むに如(し)かず。往(ゆ)けば吝(りん)。
 六三は、鹿(狩猟の獲物)を追い求めて、何も考えず(ガイドも雇わず)に林の中に入る。君子は兆しを察して進むのを止める。小人は盲進して身を滅ぼす。
象曰、即鹿无虞、以従禽也。君子舎之、往吝、窮也。
○象に曰く、即(つ)きて虞(ぐ)无(な)しとは、以(もつ)て禽(きん)に従う也。君子は之を舎(や)み、往(ゆ)けば吝(りん)とは、窮(きゆう)する也。
 小象伝は次のように言っている。六三は、鹿(狩猟の獲物)を追い求めて、何も考えずに林の中に入る。小人が獲物を仕留めて利益を貪ろうとしているのだ。君子ならば兆しを察して進むのを止めるのに、盲進して身を滅ぼす。小人が行き詰まったのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)例えて言えば、商売人が、今は、運氣が傾いている(商運屯難の時)ことを知っていながら、そのことを全く考慮せず、ベテランの従業員を重用せずに、無闇に利益を獲得しようと、暴走・妄動して、リスクの高い事業に取り組み、終には大損害を蒙るような時である。
この時に対処するには、自分の責任で大失敗したことを反省し、損失が大きくても、過ぎたことは仕方ないと諦め、その事業から撤退する決断をすれば、大失敗を挽回することは可能である。しかし、その損失を惜しんで、その事業から撤退せず何とか元を取り戻そうとすれば、損失は一時的なもので済まず、資産を失い、事業は破綻して、終には何もかも失って、どうにもこうにもならないところまで追い込まれる。
私利私欲に走って、急速に事を為そうとすれば、絶対に成功しない。今は事を為す時ではないことを慮(おもんばか)って、軽率に事を為そうとしない人は君子である。小人は時を覚らず私利私欲に走って功を焦るので、どんなに苦労しても、どうすることもできない。
○自分の才能では屯難の時を救うことはできない。下位の賢者を捜し求めて任用すれば、どうして救えないことがあろうか。
○初爻と応ずる関係になれなければ、行動してもケチがつく。

六四 ‥―‥ ‥‥― 之卦 十七澤雷隨
六四.乗馬班如。求婚媾往、吉无不利。
○六四。馬に乗りて班(はん)如(じよ)たり。婚(こん)媾(こう)を求めて往(ゆ)けば、吉にして利(よろ)しからざる无(な)し。
 六四は九五の天子を補佐すべく、馬に乗って出かけるが、自分の才德不足に気が付いて途中で引き返す。己の力不足を補うために、初九を抜擢任用して共に九五を補佐すれば、屯難の時を切り開くことができる。やがては全て宜しく事が運ぶ。
象曰、求而往、明也。
○象に曰く、求めて往くは、明らかなる也。
 小象伝は次のように言っている。六四が己の力不足を補うため、屯難の救世主初九を抜擢任用して、共に九五を補佐する。六四が己を知り、部下の能力を見抜ける賢明さを具えているからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)屯難の時に中って、下位に存在する剛健の才德を具えた人物に頼り、困難を脱出する。また、自分が頼るべき人物が二人いる(頼るべき組織が二ヶ所ある)ので、迷っている。その場合、自分から依頼すれば宜しく事が運ぶが、相手から依頼された場合は、ギクシャクしてうまく事が運ばない。
○自分より下位に居る人物に婚姻を求める(求婚する)場合は吉。
○正しき道を固く守らなければ(正貞でなければ)、どうして屯難の時を脱することができようか。