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易経(周易)を読み解く 百五八(火風鼎 全体)

五十 火(か)風(ふう)鼎(てい) ―‥―離火 ――‥巽風
互卦 四三澤天夬  綜卦 四九澤火革  錯卦 三水雷屯
鼎、元吉亨。
○鼎(てい)は元(げん)吉(きつ)、亨(とおる)る。
 鼎(かなえ)(食物を煮炊きする器。上爻を鉉(つる)、五爻を耳、四三二爻を器、初爻を足とする)に食物を入れ煮炊きすれば食物の性質は刷新して素晴らしい料理になるように、変革後の社会制度を刷新して(革を引き継ぎ)、より善い社会制度を構築するのが鼎の時である。文明(上卦離)的な六五の天子(トップ)と巽順(下卦巽)な賢臣九二が相応じて、鼎で新しい料理を煮炊きするように、君臣協力して、社会制度を刷新し、より善い社会制度を構築するから大いに宜しきを得て幸運を招き寄せる。何事もすらすら通る。

彖曰、鼎、象也。以木巽火、亨飪也。聖人亨以享上帝、而大亨以養聖賢。巽而耳目聰明、柔進而上行、中得而應乎剛。是以元亨。
○彖に曰く、鼎(てい)は象(しよう)也。木を以て火に巽(い)れ、亨(ほう)飪(じん)する也。聖人、亨(ほう)して以て上帝を享(きよう)し、而して大いに亨(ほう)して以て聖賢を養ふ。巽にして耳目聰明、柔進みて上(のぼ)り行き、中を得て剛に應ず。是を以て元に亨る。
 彖伝は次のように言っている。鼎(てい)の形は偉大な宝器「鼎(かなえ)」にそっくりである。鼎は木(下卦巽)を火(上卦離)の中に入れ、食物をほどよい塩(あん)梅(ばい)に煮炊きするために用いる三本脚の巨大な器である。聖人のように立派な天子(トップ)は、鼎を用いて食物を煮炊きして、天の神様・仏様にお供えして神仏をお祭りするだけでなく、より多くの食物を煮炊きし、天下の各地から聖賢(聖人のような仁者や賢者)を集めて饗(きよう)応(おう)して養う。以上のようであるから、天下は泰平に治まり、萬民は安泰なのである。
 巽の性質は巽(そん)順(じゆん)、離の性質は聰(そう)明(めい)。鼎(てい)の性質は巽順にして耳目聰明。天下の賢人(賢者)に巽順に謙(へりくだ)り、聖賢(古典)の教えに素直に順う。それゆえ、六五の天子(トップ)は耳目聰明にして明德が光輝き、世の中の状態がよくわかる。革の六二が天子(トップ)の位に上り中庸の德を得て、剛健にして中庸の德を備えた賢臣九二の補佐を得る。鼎の時はこのように盤石な体制なので、何事もすらすら通るのである。

象曰、木上有火鼎。君子以正位凝命。
○象に曰く、木の上に火有るは鼎(てい)なり。君子以て位を正し命(めい)を凝(な)す。
 大象伝は次のように言っている。木(巽)の上に火(離)が有るのが鼎の形である。木を鼎の脚の火中に入れると盛んに燃えて鼎(かなえ)の中の食物を程よく煮炊する。
 君子は端正で安定している鼎の形に見習って、上下の位を正して(新しい組織に適材適所の人事をして)、変革後の社会制度を刷新して、より善い社会制度を構築するという天命を成就するのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)(食べ物を煮炊きする)鼎(かなえ)の足がずっしりと立っているように自立した人。腹の据わった器量人・度量人。賢者の言葉に従い、上位の人の命令に従い、重用される。その器量と才能・智恵で身を立て、位を得て、福運を招き寄せる。
○小人(凡庸な人・俗人)と交際してはならない。
○自らを正しく明るい人間に磨き上げ、神仏を尊崇して、お殿様を仰ぎ見る人は、自ずから吉運を招き寄せて発展する時である。
○鼎(かなえ)は三つの足が支え合って力を発揮する。逆に云えば、一つの足が折れれば共倒れとなる時である。
○不和な人々(不調和な状態)を仲裁する時。
○明德を具えたお殿様に奉仕して身を立て功を成す時。
○物事や制度が改まり、新しい形ができる時。
○物事や人間関係が調和する時。 ○家督相続に関する時。
○疑惑が解ける時。 ○物事が定まる(完成する・安定する)時。
○苦労を経て、その後吉運を招き寄せる時。
○色々な物事が溢れ易い時。 ○役人を志向すると利益が得られる時。
○物価が変動して定まらない時。