毎日連載! 易経を中心に日本の心に関する情報を毎日アップしています。

易経(周易)を読み解く 八三(地雷復 四五上)

六四 ‥‥‥ ‥‥― 之卦 五一震爲雷
六四。中行獨復。
○六四。中(ちゆう)行(こう)にして獨(ひと)り復(かえ)る。
 六四は柔順正位で賢人初九と応じている。衆陰の真ん中(上六・六五・六四・六三・六二)に居(い)ながら、唯一、賢人初九と応じる関係に在るので、初九を師と崇めて陰(いん)邪(じや)の誘惑を断ち切り、賢人初九の指導を仰いで正しい道に復(かえ)る(道德心を取り戻す)のである。
象曰、中行獨復、以從道也。
○象に曰く、中行にして獨(ひと)り復(かえ)るは、以(もつ)て道に從(したが)う也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。六四は唯一、賢人初九と応じる関係に在るので、独り初九の指導を仰いで正しい道に復る(道德心を取り戻す)。
 賢人初九を師と崇めて陰(いん)邪(じや)の誘惑を断ち切り、初九の指導に従って正しい道(仁義礼智信の五常の道)を歩むのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)陰爻陰位で柔順な性質を具えている。世間から立派だと崇められる人の言行に感動して発奮する。交流しているのは小人のグループだが、本人の志操は優れている。泥の中で咲く蓮の花のようである。やがては必ず盛運に至る。
○付和雷同しないから、「独(ひと)り復(かえ)る」と云う。陽氣が甚だ微小で、物事を為し遂げるには至らないので吉とは言わない。
○自ら善い道に入る。

六五 ‥‥‥ ‥‥― 之卦 三水雷屯
六五。敦復。无悔。
○六五。敦(あつ)く復(かえ)る。悔(くい)无(な)し。
 六五は柔順な性質で中の德を備えた君主(トップ)。復の卦主として篤実に正しい道に復る(何かあれば反省して道德心を取り戻す)。
 賢人初九とは応比の関係にないので、賢者のアドバイスは受けられないが、自ら君主(トップ)としての非を知り德を磨いて大衆を教化する。後悔することはない。
象曰、敦復、无悔、中以自考也。
○象に曰く、敦(あつ)く復(かえ)る。悔(くい)无(な)しとは、中にして以て自(みずか)ら考(な)す也。
 小象伝は次のように言っている。復の卦主として自ら君主(トップ)としての非を知り德を磨いて大衆を教化し、後悔することはない。
 中庸の徳を具えているので自らの非を知っており、正しい道を貫き通す(何かあっても常に道德心を取り戻す)のである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)自ら至誠の心を大いに発して善き行いを実行する。人德を具えているので、神の支援によって幸福を得るに至る。
○善き心に復ること篤いのは、德を養うためである。

上六 ‥‥‥ ‥‥― 之卦 二七山雷頤
上六。迷復。凶。有災眚。用行師、終有大敗。以其國君。凶。至于十年不克征。
○上六。復(かえ)るに迷う。凶。災(さい)眚(せい)有り。用(も)って師(いくさ)を行(や)れば、終(つい)に大敗有り。其(そ)の國(こつ)君(くん)を以(もつ)てす。凶。十年に至るまで征(せい)する克(あた)わず。
 上六は復の終りに居て応比なく、賢人初九と最も遠く離れているので、正しい道に復る(道德心を取り戻す)ことを深く迷う。道を踏み外している(道德心に背いている)ことを自覚しながら、正しい道に復ることを深く迷うのだから、救いようがない。
 このような有様では、天災と人災が度重なるであろう。自ら道德心に背いていることを自覚しながら、他国に戦争を仕掛ければ、大敗する。兵卒を失うだけでなく、君主(トップ)にまで禍(わざわい)が及ぶ。自分の身を滅ぼし国を喪(うしな)い社会は壊(かい)滅(めつ)状態に至る。その後長い年月を積み重ねても国力は回復せず再び戦争に勝つことはできない。
象曰、迷復之凶、反君道也。
○象に曰く、復(かえ)るに迷うの凶は、君(くん)道(どう)に反(はん)すれば也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。上六は道を踏み外している(道德心に背いている)ことを自覚しながら、正しい道に復ることを深く迷うのだから、救いようがない。
 天災と人災が度重なり、他国に戦争を仕掛ければ大敗し、兵卒を失うだけでなく、君主(トップ)にまで禍(わざわい)が及ぶ。このような事態に陥(おちい)ったのは、上六が君子の道(仁義礼智信の五常の道)に反したからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)道德が大切なことを知らない。賢者の言葉に耳を傾けない。神の権威を恐れない。私利私欲にまみれて、全く反省しない人である。
天災や人災に遭遇して、天を仰いで号泣しても、許されがたい罪を犯したのであるから、救われない。本来の善き心に復ることを迷う人は、よくよく考え、そのような心を改め慎むべきである。
○迷いに迷って終に善き心に復れない凶の道。終に善き心に復れない。社会的地位を得ても、人を思いやることができない。自らの過ちを改める勇気もなく、混迷して善き心を失ったままである。
○小人がトップリーダーとなって富を得る。人々はその富を羨ましがって、私利私欲にまみれる時である。