毎日連載! 易経を中心に日本の心に関する情報を毎日アップしています。

易経(周易)を読み解く 百十一(雷天大壯 初二三)

初九 ‥‥― ―――(雷天大壯)之卦 三二雷風恆
初九。壯于趾。征凶。有孚。
○初九。趾(あし)に壯(さかん)なり。征(ゆ)けば凶。孚(まこと)有り。
 初九は正位(陽爻陽位)だが、大壮の時には剛に過ぎる。応比なく、最(さい)下(か)の卑(いや)しい身分(趾)でありながら、盛んに進もうとする。調子に乗ってやり過ぎる(傲(ごう)慢(まん)になったり強(ごう)引(いん)すぎたりする)と大失敗を招き寄せる大壮の時に、無闇に進めば必ず禍(わざわい)を受ける。
 初九に真心があったとしても、やり過ぎてはならないのである。
象曰、壯于趾、其孚窮也。
○象に曰く、趾(あし)に壯(さかん)なりとは、其(そ)の孚(まこと)窮(きゆう)する也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。初九は卑(いや)しい身分にありながら、盛んに進もうとする。
 調子に乗ってやり過ぎる(傲(ごう)慢(まん)になったり強(ごう)引(いん)すぎたりする)と大失敗を招き寄せる大壮の時に、卑(いや)しい身分の初九が暴走すれば、真心があっても窮するしかないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)時機が至る前に進み行き、身体や名声を損なう時である。
○妄進して事を誤る時である。

九二 ‥‥― ―――(雷天大壯)之卦 五五雷火豐
九二。貞吉。
○九二。貞(てい)にして吉(きつ)。
 九二は陽爻陰位で剛に過ぎないので暴走しない。常に正しい道を固く守る(傲(ごう)慢(まん)になったり強(ごう)引(いん)すぎたりしない)ので、何事も宜しきを得て、幸運を招き寄せるのである。
象曰、九二貞吉、以中也。
○象に曰く、九二の貞にして吉なるは、中(ちゆう)なるを以(もつ)て也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。九二は常に正しい道を固く守る(傲(ごう)慢(まん)になったり強(ごう)引(いん)すぎたりしない)ので、何事も宜しきを得て、幸運を招き寄せる。
 陽(君子・盛運・善)の勢いが陰(小人・衰運・悪)を駆(く)逐(ちく)して益々盛んになる大壮の時に中って、調子に乗ってやり過ぎないように自分の言行を抑制して、常に正しい道(道德)を固く守り、暴走しないからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)才能と見識を具えて、大壮の時にる。盛運の時と知りながらも、自戒して暴走しない。それゆえ、幸運を招き寄せる。
○正しい事を行い、正しい心で対処すれば、興奮することも、阿(おもね)ることもない。以上が前提条件となって幸運を掴み取る。

九三 ‥‥― ―――(雷天大壯)之卦 五四雷澤歸妹
九三。小人用壯。君子用罔。貞厲。羝羊觸藩羸其角。
○九三。小人は壯(そう)を用(もち)う。君子は罔(もう)を用う。貞なれども厲(あやう)し。羝(てい)羊(よう)、藩(まがき)に觸(ふ)れ、其(そ)の角(つの)を羸(くるし)む。
 九三は陽爻陽位で下卦乾の極に居りあまりにも剛に過ぎる。小人なら必ず暴走する。君子なら立ち止まる。正しい道(暴走せずに立ち止まる)を守っても危険に陥る時である。
 小人は正しい道を守れないので暴走する。牡(お)羊(ひつじ)が垣(かき)根(ね)に突っ込み、角(つの)が垣根に絡(から)まって進退窮(きゆう)するのである。
象曰、小人用壯。君子罔也。
○象に曰く、小人は壯(そう)を用(もち)う。君子は罔(な)き也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。小人は私利私欲に引っぱられて正しい道(道德)を守れない。だから暴走して自爆するのである。君子は私利私欲に引っぱられないから正しい道(道德)を守る。だから暴走しないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)血氣に任せて事を誤る時である。じっくりと考慮せずに安直に進む時は自ら災難を招き寄せる。先人のやり方を見習って進めば苦労せずに事を成し遂げることができる。
○非力なのに、氣力だけは強い時である。
○相手を侮(あなど)り、欺(あざむ)く時である。