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易経(周易)を読み解く 百十二(雷天大壯 四五上)

九四 ‥‥― ―――(雷天大壯)之卦 十一地天泰
九四。貞吉悔亡。藩決不羸。壯于大輿之輹。
○九四。貞(てい)にして吉(きつ)、悔(くい)亡(ほろ)ぶ。藩(まがき)決して羸(くるし)まず。大(たい)輿(よ)の輹(とこしばり)に壯(そう)なり。
 九四は不中正だが、勢いが盛んで調子に乗ってやり過ぎる(傲(ごう)慢(まん)になったり強(ごう)引(いん)すぎたりする)大壮の時には剛柔調和して宜しきを得る。過ぎたるところがない正しさ(礼による調和)を貫けば宜しきを得て、後悔することはない。
 九四の行き先の垣(かき)根(ね)は開いており角(つの)を引っかけるような苦労をせずに進み往くことができる。九四は車軸が堅(けん)固(ご)な大きな車で勇(いさ)ましく進んで小人を平(へい)定(てい)し服従させる。
象曰、藩決不羸、尚往也。
○象に曰く、藩(まがき)決して羸(くるし)まずとは、往(ゆ)くを尚(たつと)ぶ也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。九四は過ぎたるところがない正しさ(礼による調和)を貫くので、行き先の垣(かき)根(ね)は開いており、角(つの)を引っかけるような苦労をせずに進み往くことができる。過ぎたるところがない正しさ(礼による調和)を貫くだけでは小人を平定できない。勇ましく進んで行くから小人を平定できるのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)小人が勢いを失い、君子が盛運を迎える時である。
○天の時、地の利、人の和、全てを得て、心に少しも蟠(わだかま)りなく、あらゆる事が解決して、望み事が叶う時である。

六五 ‥‥― ―――(雷天大壯)之卦 四三澤天夬
六五。喪羊于易。无悔。
○六五。羊(ひつじ)を易(さかい)に喪(うしな)う。悔(くい)无(な)し。
 六五は九四の時に開けた行き先の垣(かき)根(ね)である。六五は柔中の德を具えているので勇ましく進んで行く賢臣(九四と九二)に順う。だから、後悔することはないのである。
象曰、喪羊于易、位不當也。
○象に曰く、羊を易(さかい)に喪(うしな)うとは、位(くらい)當(あた)らざれば也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。六五は柔中の德を具えているので勇ましく進んで行く賢臣(九四と九二)に順うので、後悔することはない。君主の地位に在りながら柔順で、過ぎたるところがない正しさ(礼による調和)を貫くからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)柔順に対処することで事を成し遂げる時。とんでもない人物に無理難題を突き付けられても、柔順に対処すれば災いを回避できる。
○強い志を内に抱いて、外面は柔順に人と接するべきである。
○剛を制御するのは柔に勝るものはないと認識すべきである。

上六 ‥‥― ―――(雷天大壯)之卦 十四火天大有
上六。羝羊觸藩、不能退、不能遂。无攸利。艱則吉。
○上六。羝(てい)羊(よう)、藩(まがき)に觸(ふ)れ、退く能(あた)わず、遂(と)ぐる能(あた)わず。利(よろ)しき攸(ところ)无(な)し。艱(なや)めば則(すなわ)ち吉。
 上六は勢いが盛んで調子に乗ってやり過ぎる(傲(ごう)慢(まん)になったり強(ごう)引(いん)すぎたりする)大壮の極点・震の最上に居る。牡(お)羊(ひつじ)のように暴走すれば、垣根に突っ込んで進退窮まる。艱難辛苦して改心すれば、禍(わざわい)転じて福となす。
象曰、不能退、不能遂、不詳也。艱則吉、咎不長也。
○象に曰く、退(しりぞ)く能(あた)わず、遂(と)ぐる能(あた)わずとは、詳(つまびら)かならざる也。艱(なや)めば則(すなわ)ち吉とは、咎(とが)、長からざる也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。牡(お)羊(ひつじ)のように暴走して垣(かき)根(ね)に突っ込み進退窮(きわ)まるのは、時勢を詳(つまび)らかに分析しなかったからである。艱(かん)難(なん)辛(しん)苦(く)して改心すれば、禍(わざわい)転じて福となすのは、よく反省して過ちを改めるので、咎(とが)めは長く続かないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)自分の落ち度で艱難を招き寄せて、進退に苦しむ。後悔して、熱心に勉強するようになるので、艱難を脱出する。
○作為がないことが、吉運を招き寄せる。