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易経(周易)を読み解く 百二十(風火家人 初二三)

初九 ――‥ ―‥― (風火家人) 之卦 五三風山漸
初九。閑有家。悔亡。
○初九。有(ゆう)家(か)を閑(ふせ)ぐ。悔(くい)亡(ほろ)ぶ。
 初九は剛健正位で明德(下卦離)を具えて、家(家庭や自治会・学校・職場など身近な組織)を治める時の最初の段階に居る。家(家庭や自治会・学校・職場など身近な組織)を治める最初の段階に中(あた)り邪(じや)を閑(ふせ)ぐ(言行共に誠を貫く)ことから始めるのである。それゆえ後悔するような過失は起こさない。
象曰、閑有家、志未變也。
○象に曰く、有(ゆう)家(か)を閑(ふせ)ぐとは、志未(いま)だ變(へん)ぜざる也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。邪を閑ぐ(言行共に誠を貫く)ことから始めるのは、家の人々の志がまだ正しさを保っている(悪い方向には向かっていない)からである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)節約と倹約は家族円満と国家繁栄の基本である。何事も節約と倹約を守れば、軽薄に流れることなく、邪悪に陥ることもない。以上を心得て、何事も無駄を省き質素にすべき時である。
○目的を一つに定め、家族(組織の構成員)が協力し、規律を定めてキチンと守れば、家庭(組織)は隆盛に向かって行く。
○外部の人を招き入れる場合は、わが家風(社風)と外部の人の役割分担を丁寧に伝え理解を得てから招き入れれば、招き入れた人は、キチンとその役割を全うして、わが家(組織)に貢献する。
○何事も初心を貫けばその後栄誉を得る。途中で怠ってはならない。
○進んで行くだけで、決して退かない時である。
○自分ができないことを遺言して身内の(家人)に託す時である。

六二 ――‥ ―‥― (風火家人) 之卦 九風天小畜
六二。无攸遂。在中饋。貞吉。
○六二。遂(と)ぐる攸(ところ)无(な)し。中(ちゆう)饋(き)に在(あ)り。貞(てい)にして吉(きつ)。
 柔順中正の六二(陰爻陰位)は剛健中正の九五(陽爻陽位)の家長(組織のトップ)と陰陽応じている。全て九五の家長(組織のトップ)の命令に従い、自分から率先して事を成し遂げることはない。家長(組織のトップ)に家事(組織)を任されて家(組織)の中を取り仕切っているのである。女の道(陰の役割)に適(かな)っているので、幸運を招き寄せる。
象曰、六二之吉、順以巽也。
○象に曰く、六二の吉は、順(じゆん)にして以(もつ)て巽(そん)なれば也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。六二が幸運をの招き寄せるのは、九五の家長(組織のトップ)の命令を素直に受け容れ柔順に従うからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)やるべきことを着実にやり、本業に一生懸命取り組めば、少しずつ運が開けて行く。
○本業以外に心を惹かれたり、私利私欲で動いたり、新しい事業を始めたりしてはならない。
○自分が中心になって事を為す時ではない。

九三 ――‥ ―‥― (風火家人) 之卦 四二風雷益
九三。家人嗃嗃。悔厲吉。婦子嘻嘻。終吝。
○九三。家(か)人(じん)嗃(かく)嗃(かく)たり。悔(くい)厲(あやう)けれども吉(きつ)。婦(ふ)子(し)嘻(き)嘻(き)たり。終(つい)に吝(りん)。
 九三は剛毅に過ぎる(陽爻陽位で過ぎたる性格の)家(か)長(ちよう)(組織のトップ)である。家長(組織のトップ)が厳しいので家人(組織の構成員)は「ひいひい」苦しむ。
 家長(組織のトップ)自身、厳し過ぎたと後悔するが、厳しくした方が家(組織)は治まるのである。家長(組織のトップ)が厳しさを失い寛大に過ぎると女子供(組織の構成員)は一日中笑ったり騒いだりと節度を失い、終には恥をかくことになる。
象曰、家人嗃嗃、未失也。婦子嘻嘻、失家節也。
○象に曰く、家人嗃(かく)嗃(かく)たりとは、未(いま)だ失わざる也。婦(ふ)子(し)嘻(き)嘻(き)たりとは、家(か)節(せつ)を失う也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。家長長(ちよう)(組織のトップ)が厳しすぎると家人(組織の構成員)は「ひいひい」苦しむけれども、家の道(陰陽の役割分担)を失ったわけではない。
 家長(組織のトップ)が厳しさを失い寛大に過ぎると女子供(組織の構成員)は一日中笑ったり騒いだりして楽しいそうであるが、終には節度を失い、家の道(陰陽の役割分担)に背くことになって、終には家(組織)の人間関係は乱れて崩壊するに至る。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)家庭の規律が厳格に過ぎるか、逆に放縦に流れて、家風が一方に偏(かたよ)る時である。厳格に過ぎれば家族は大変だが、結果的には家の中はよく治まる。放縦に流れれば家族は節度を失って、結果的に家の中は乱れて不幸になる。
○婦人や女子の愛に溺れる時でもある。慎むべきである。
○業務を人に任せてはならない。時に中ることで幸福を招き寄せる。
○家事や家政に関する事を勉強する時である。
○肉親(家族)の関係が恩情よりも厳格に過ぎて後悔する時である。