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易経(周易)を読み解く 三九(天沢履 全体)

十 天(てん)澤(たく)履(り) ―――乾天 ‥――兌沢
互卦 三七風火家人  綜卦 九風天小畜  錯卦 十五地山謙
履、虎尾不咥人。亨。
○虎の尾を履(ふ)む。人を咥(くら)わず。亨(とお)る。
 履(り)は上卦乾(剛健)に下卦兌(和悦)が履(ふ)み随(したが)う時である。小(兌柔)が大(乾剛)に履み随うのだから大変な困難を伴う。時には虎の尾を履(ふ)むような危険をも伴う。
 和(わ)悦(えつ)の心で剛健に履(ふ)み随(したが)えば虎に噛(か)まれることはない。何事もすらっと通る。

彖曰、履、柔履剛也。説而應乎乾。是以履虎尾不咥人、亨。剛中正、履帝位而不疚。光明也。
○彖に曰く、履(り)は、柔(じゆう)剛(ごう)を履(ふ)む也。説(よろこ)びて乾(けん)に應(おう)ず。是(ここ)を以て虎の尾を履(ふ)むも人を咥(くら)わず、亨(とお)る。剛中正にして、帝(てい)位(い)を履(ふ)みて疚(や)ましからず。光(こう)明(めい)ある也。
 彖伝は次のように言っている。履(り)は下卦兌(だ)(柔)が上卦乾(剛)に履(ふ)み随(したが)う時である。下卦兌(だ)は和(やわ)らぎ悦(よろこ)んで上卦乾に履み随う。時には、虎の尾を履(ふ)むような困難や危険をも伴うが、和(わ)の心で剛健に履(ふ)み随(したが)うから、虎に噛(か)まれることはない。何事もすらっと通る。
 今は九五が剛健中正の德を具(そな)えて帝(てい)位(い)に君臨しており、何ら疚(やま)しいところがなく、カリスマとしての君德が天下に光り輝いているからである。

象曰、上天下澤履。君子以辯上下、定民志。
○象に曰く、上天下澤は履なり。君子以て上下を辯(わか)ち、民の志を定む。
 大象伝は次のように言っている。上に天(乾)、下に澤(さわ)(兌)が在るのが履の形である。
 貴方が君子ならば、上に在(あ)るべき天が上に、下に在(あ)るべき澤が下に在るという履の形を見習って、組織の上下関係(役割分担)を正し、民(たみ)が生きる方向性を定めるのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)艱難を冒して危険に対処する。人を尊敬し、礼儀を重んじ、調和と柔順を大切にし、節度を守り、戦々兢々として物事に応ずれば、万事に忍耐することができ、遂には希望を叶えられる。
○心身共に柔弱ゆえ、和悦して剛強なモノの後に付いて履み行けば、危ない事に臨んでも、リスクを避け、真っ直ぐに進んで行くことができる。だが、自分が人の先頭に立って進み行こうとすれば、必ず失敗して、結局、人の後を付いて行くことになる。
○自分が行なう事が全て正しければ失敗しない。以上のことをよくよく知っておくべきである。
○油断すると、自分から災難を招く。慎むべきである。
○上下きちんと区分し、尊卑の道理を正しく定めて、礼儀を厚くして人を信じることが求められる。
○乾は厳しく、兌は調和する。外側は厳しくて、内側は調和する。
○怠惰で心身共に弱い。職を続けることや就職することは難しい。
○内側は柔らかくジメジメして、外側は剛強でサバサバしている。
○物事を実践する時。規則を守り通す時。
○落とし物や捜し物は何かに覆われ隠れている。上爻の時に至れば出てくる(見つかる)。
○女の裸体の象(かたち)である。