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易経(周易)を読み解く 三八(風天小畜 四五上)

六四 ――‥ ――― 之卦 一乾爲天
六四。有孚。血去惕出。无咎。
○六四。孚(まこと)有り。血(いたみ)去り惕(おそ)れ出(い)づ。咎无し。
 止める時(小畜)の主(一陰五陽の一陰にして主爻)六四は、至(し)誠(せい)の心で九五のトップに尽くすので、九五に信任され庇(ひ)護(ご)を得て危険を免れる。
 人に咎められるような過失は犯さないのである。
象曰、有孚、惕出、上合志也。
○象に曰く、孚(まこと)有り、惕(おそ)れ出(い)づとは、上(うえ)、志を合わすれば也。
 小象伝は次のように言っている。止める時(小畜)の主(一陰五陽の一陰にして主爻)六四は、至(し)誠(せい)の心で九五に尽くすので、九五に信任され庇(ひ)護(ご)を得て危険を免れる。
 九五のトップが側近六四の至誠の心に感動し、志を同じくするからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)陰が陽を制する時。陰は大変に危険な地位に居る。至誠を尽くして自我に囚われず、清明の心を維持すれば、災難を免れる。
また、子どもに恵まれず、頼りとする親族は少ない。家事に関して、心配事が多い。目下の人には慈しみの心で、目上の人には至誠の心で接することができれば、災難を免れ、家庭や家族を維持できる。
○一陰が衆陽を制止・制御する。
○病気の人は、治療法が見つかって危険を脱する。
○至誠の心で人に接する。隣人(身近な人)を助けて、何かを得る。
○血が出たり、血を見るような事に遭遇した場合、潜み隠れて静かにしていることにより、災難を回避することができる。
○志を実現しようとしている人を、結果的に妨害することになる。

九五 ――‥ ――― 之卦 二六山天大畜
九五。有孚攣如。富以其鄰。
○九五。孚(まこと)有りて攣(れん)如(じよ)たり。富、其(そ)の鄰(となり)を以てす。
 中正具えた九五のトップは、私心を捨てて五陽を止(とど)める側近六四の真心に感動して、至(し)誠(せい)の心で六四を支援し、「柔よく剛を制する」小畜の時を見守っている。
 トップとして得た富を六四と共有して、その恩(おん)沢(たく)は普(あまね)く天下に行き渡る。
象曰、有孚攣如、不獨富也。
○象に曰く、孚(まこと)有りて攣(れん)如(じよ)たりとは、獨(ひと)り富(と)まざる也。
 小象伝は次のように言っている。九五のトップは側近六四の真心に感動し、至誠の心で六四を支援し小畜の時を見守っている。トップとして得た富(とみ)を独(ひと)り占(じ)めすることなく、側近六四と共有するから、その恩(おん)沢(たく)は普(あまね)く天下に行き渡るのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)遠くまで見渡すことができず(多くの人の気持ちを見抜くことができず)、自分に従う者だけを愛顧する。本当に自分にとって利益をもたらしてくれるような貴重な友だちを失う。心の中にしっかりした志を抱いて、公明正大な気持ちで、天下のために善き事をすべきである。富有な家に住み、親族や友人も多く、召使いも沢山雇っている。親族が力を合わせて事を行なえば、さらに繁盛する。真心を失わなければ、心配事があっても、お互いに助け合って心配事は解消する。
○財産やお金が集まってくる。
○自分を慕って順う人にモノを恵む。
○六四(側近)を支援して(または六四の助けを得て)、六四と共に下から昇ってくるモノを制止する。
○懐にモノを貯える。
○物事を為し遂げようとする。包容力を身に付ければ成功する。

上九 ――‥ ――― 之卦 五水天需
上九。既雨既處。尚德載。婦貞厲。月幾望。君子征凶。
○上九。既(すで)に雨ふり既(すで)に處(お)る。德を尚(たつと)びて載(み)つ。婦(ふ)は貞(てい)なれども厲(あやう)し。月(つき)望(ぼう)に幾(ちか)し。君子も征(ゆ)けば凶。
 上九は小畜の時の終極を説いて、戒めの言葉を述べているのである。
 卦辞・彖辞に「密雲雨ふらず」とあったが、側近六四と九五のトップが陰陽和合し雨が降ったので、密雲を湧き起こす必要がなくなった。側近六四の至誠の德を衆陽が尚(たつと)び感(かん)応(おう)し小畜の時が成就したのである。
 だが、陰(六四)が陽を制する形となって、六四は危険な立場に置かれた。月(陰)がもうすぐ満月になり太陽(陽)に匹敵する勢力になろうとしているのだ。こんな時に君子(陽)が不用意に動くと陰と争い共に血を流して傷付くことを避けられない。
象曰、既雨既處、德積載也。君子征凶、有所疑也。
○象に曰く、既に雨ふり既に處るとは、德積載する也。君子も征けば凶とは、疑わしき所有る也。
 小象伝は次のように言っている。陰陽和合して雨が降ったので、密雲を湧き起こす必要がなくなった。側近六四が至誠の德を積み上げたからである。
 こんな時に君子(陽)が不用意に動くと陰と争い共に血を流して傷付くことを避けられない。側近六四(陰)の勢いが陽かと疑われるほど盛んになっているからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)自分が望んでいる事を知り合いに依頼しようとする。知り合いは、自分の望んでいる事を妨害する存在である。志を共にする人ではない。そのことを早く察して、知り合いに依頼することを断念することが望ましい。断念すれば、小さな損害で済む。断念できなければ、遂には大損害を被る。早く断念すれば吉を招くことができる。
○志は上に向かって進もうとするが何物かに制止される。正しい道を守れば吉運を招き寄せる。
○やりすぎてはならない時である。