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易経(周易)を読み解く 五十(天火同人 四五上)

2021年11月27日

九四 ――― ―‥― (天火同人) 之卦 三七風火家人

九四。乘其墉。弗克攻。吉。
○九四。其(そ)の墉(かき)に乘(のぼ)る。攻(せ)むる克(あた)わず。吉。
 九四は九三と同じく六二(同人の時の主人公)と志を同じくすることを強く欲する。九五を抹殺しようと企んで九五の隙(すき)を窺(うかが)い、密(ひそ)かに丘に登り兵士を草むらに隠して攻め入ろうとするが、九五の権勢は強く、とても勝ち目がないことを覚(さと)る。
 そもそも九四は六二と応比の関係になく、六二と応じている九五を抹殺する正当な理由がない。そこで己の不義を恥じて改心すれば禍(わざわい)転じて福となすことができる。
象曰、乘其墉、義弗克也。其吉、則困而反則也。
○象に曰く、其(そ)の墉(かき)に乘(のぼ)るは、義、克(あた)わざる也。其の吉なるは、則(すなわ)ち困(くる)しみて則(のり)に反(かえ)れば也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。九四は九三と同じく六二(同人の時の主人公)と志を同じくすることを強く欲する。九五を抹殺しようと企んで九五の隙(すき)を窺(うかが)い、密(ひそ)かに丘に登り兵士を草むらに隠して攻め入ろうとするが、九五の権勢は強く、とても勝ち目がないことを覚(さと)る。己の不義を恥じて改心すれば禍(わざわい)転じて福となすことができるのは、不義の自分を心から恥じて悶(もん)々(もん)と苦しみ、正しい道に復(かえ)るからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇今やっていることの他に希望していることがあって、どうすればよいか、いろいろと考えるが、すでに他の人に先を越されている時である。今は自分が希望していることを行なうことはできないと悟り反省して、自分の志を転換させれば、吉運を招き寄せる。
○高い所に登って大衆を指導する時。
○事を成し遂げることが難しいことを悟って中止する。
○諺に云う「骨折り損のくたびれもうけ」という時である。

以下省略。次の書籍をご覧ください。