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易経(周易)を読み解く 五十(天火同人 四五上)

九四 ――― ―‥― 之卦 三七風火家人
九四。乘其墉。弗克攻。吉。
○九四。其(そ)の墉(かき)に乘(のぼ)る。攻(せ)むる克(あた)わず。吉。
 九四は九三と同じく六二(同人の時の主人公)と志を同じくすることを強く欲する。九五を抹殺しようと企んで九五の隙(すき)を窺(うかが)い、密(ひそ)かに丘に登り兵士を草むらに隠して攻め入ろうとするが、九五の権勢は強く、とても勝ち目がないことを覚(さと)る。
 そもそも九四は六二と応比の関係になく、六二と応じている九五を抹殺する正当な理由がない。そこで己の不義を恥じて改心すれば禍(わざわい)転じて福となすことができる。
象曰、乘其墉、義弗克也。其吉、則困而反則也。
○象に曰く、其(そ)の墉(かき)に乘(のぼ)るは、義、克(あた)わざる也。其の吉なるは、則(すなわ)ち困(くる)しみて則(のり)に反(かえ)れば也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。九四は九三と同じく六二(同人の時の主人公)と志を同じくすることを強く欲する。九五を抹殺しようと企んで九五の隙(すき)を窺(うかが)い、密(ひそ)かに丘に登り兵士を草むらに隠して攻め入ろうとするが、九五の権勢は強く、とても勝ち目がないことを覚(さと)る。己の不義を恥じて改心すれば禍(わざわい)転じて福となすことができるのは、不義の自分を心から恥じて悶(もん)々(もん)と苦しみ、正しい道に復(かえ)るからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)今やっていることの他に希望していることがあって、どうすればよいか、いろいろと考えるが、すでに他の人に先を越されている時である。今は自分が希望していることを行なうことはできないと悟り反省して、自分の志を転換させれば、吉運を招き寄せる。
○高い所に登って大衆を指導する時。
○事を成し遂げることが難しいことを悟って中止する。
○諺に云う「骨折り損のくたびれもうけ」という時である。

九五 ――― ―‥― 之卦 三十離爲火
九五。同人、先號咷而後笑。大師克相遇。
○九五。人に同じくするに、先(さき)には號(ごう)咷(とう)して後(のち)には笑う。大(だい)師(し)克(か)ちて相(あい)遇(あ)う。
 九五は正応六二と同人(天下の人々と志を同じくして一致団結)しようとするが、九三・九四に邪魔される。始めは憂い悲しみ泣き叫ぶが、終(つい)には同人して喜び笑うに至る。
 天下の人々と一致団結すべく六二と和合し大軍を率いて戦えば、九三・九四を寄せ付けないのである。
象曰、同人之先、以中直也、大師相遇、言相克也。
○象に曰く、同人の先(さき)は、中(ちゆう)直(ちよく)なるを以(もつ)て也(なり)、大(だい)師(し)相(あい)遇(あ)うとは、相(あい)克(か)つを言う也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。始めは憂い悲しみ泣き叫ぶが、終(つい)には同人して喜び笑うに至るのは、九五が剛健中正で素直だからである。一致団結すべく六二と和合し大軍を率いて戦えば、九三・九四を寄せ付けない。六二と和合した九五が大軍を率いて九三・九四を打ち破り、六二と和合して天下の人々と一致団結するのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)最初は、自分を妨害する人がいて、しばらくは志を成し遂げることができない。今ようやく時運が到来した。妨害を排除して、同志と共に志を成し遂げることができる。大いに喜び合う時。
○寛大で余裕がある。大衆に望まれる時である。
○大きな事業を立ち上げて、最初は幾多の困難に遭遇するが、終には事を成し遂げて名誉を得る。
○朋友が志を同じくして、資産を融通し合い、利益を分かち合う時。
○信頼できる朋友と再会して、久しぶりに談笑し、お互いに喜び合う時である。

上九 ――― ―‥― 之卦 四九澤火革
上九。同人于郊。无悔。
○上九。人に同じくするに郊(こう)に于(おい)てす。悔(くい)无(な)し。
 上九は天下の人々と和合一致する同人の終極に居て、一人六二から遠く離れて利害の外に立ち、淡々とした境(きよう)涯(がい)にある。何事にも執着しないので後悔することもない。
象曰、同人于郊、志未得也。
○象に曰く、人に同じくするに郊(こう)に于(おい)てすとは、志未(いま)だ得ざる也。
 小象伝は次のように言っている。上九は一人六二から遠く離れて利害の外に立ち、淡々とした境(きよう)涯(がい)にある。物事に執着しないので、志を得られずとも後悔しないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)無事に何事もない(暇な)時だから、何も求めることなく、超然として過ごすがよい。何事もないことを退屈だと思って、妄りに事を為そうと欲しても無駄である。
○世間の苦労から遠ざかり、毀誉褒貶と無縁の時である。
○静かな土地にしっとりと暮らして、何事もない時である。
○朋友と疎遠になる。
○世事に疎(うと)くて人に欺(だま)されやすい。
☆この爻を帰魂とする。寿命を占って、この卦が出た時には、上爻に至る時に死亡する。