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易経(周易)を読み解く 四九(天火同人 初二三)

初九 ――― ―‥― 之卦 三三天山遯
初九。同人于門。无咎。
○初九。人に同じくするに門に于(おい)てす。咎(とが)无(な)し。
 初九は人と人とが志を同じくして、一致団結して事に中る同人の時の初めに居て、天下の人と和合すべく家の門から出て六二と志を同じくする。初九には私心がなく、公正なので咎(とが)められることはない。
象曰、出門同人、又誰咎也。
○象に曰く、門を出(い)でて人に同じくす。又誰か咎(とが)めん也(や)。
 小象伝は次のように言っている。私心がなく公正な初九は、家の門を出て(私心を捨てて)六二を始め広く天下の人と和合しようとしているのである。
 誰が初九を咎めることができようか。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)頑固さ、こだわり、私利私欲を捨てて、人に接するように心がけるべきである。内側に居る自分を正して、外側に居る相手との関係を保てば、協調一致して進むことができる。
○実家を出て(独り立ちして)学問と修業に志す時。
○自分の見識を隠して、世間の人情を味わうべきである。

六二 ――― ―‥― 之卦 一乾爲天
六二。同人于宗。吝。
○六二。人に同じくするに宗(そう)に于(おい)てす。吝(りん)。
 一致団結して事に中る同人の時の主人公(一陰五陽の一陰)六二は正(せい)応(おう)九五の天子(トップ)と志を同じくしている。一致団結することが求められる同人の時において、正応九五に強く惹かれて、同人の時の主人公(一陰五陽の一陰)として広く天下の人々と一致団結する努力を怠る。寛大な心で大同団結することが求められるのに、正応九五に強く惹かれてしまう自分の狭い心を恥じるべきである。
象曰、同人于宗、吝道也。
○象に曰く、人に同じくするに宗(そう)に于(おい)てすとは、吝(りん)道(どう)也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。六二は一致団結することが求められる同人の時において、正応九五に強く惹かれて、同人の時の主人公(一陰五陽の一陰)として広く天下の人々と一致団結する努力を怠る。寛大な心で大同団結することが求められるのに、正応九五に強く惹かれてしまう自分の狭い心を恥じるべきである。
 同人の時の主人公(一陰五陽の一陰)なのに、正応九五にだけ強く惹かれてしまう自分の狭い心を大いに反省すべきである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)文明の知見と先を読む明察力があるのに、人望を失って、運氣が萎(しぼ)んでしまった時である。よく考えて、傲慢になりがちな心を抑制し、大衆を見下すことなく、公明で正しく広大な志を抱き、その志をずっと保つべきである。そのようであれば、再び運氣は回復して、繁盛・繁栄の名誉を得る。
○一つだけ存在する陰的な人材が臣下の位(六二)に居る。文明の知見を具え柔順中正を得て、九五の君主に応じている。名君と賢臣が志を同じくして国家を統治する時である。
○地位の高い人から寵愛されるため、九三・九四から嫉妬されること甚だしい。貴人から大切にされることを誇れば、吉運一転して凶運となり、後で後悔したところでどうにもならない。
○あなたが公明正大で天真爛漫な真心を持つことができれば、誰にも隠しごとが出来なくなる。言行一致を貫けば、大勢の人々に助けられる。志を大いに成就することができる時である。
○権力や権威に驕らず、髪の毛一本ほども傲慢な気持ちを抱くことなく、泰然と佇んでいることが求められる時である。

九三 ――― ―‥― 之卦 二五天雷无妄
九三。伏戎于莽、升其高陵。三歳不興。
○九三。戎(つわもの)を莽(くさむら)に伏(ふ)せ、其(そ)の高(こう)陵(りよう)に升(のぼ)る。三歳まで興(おこ)らず。
 やり過ぎる性格の九三は、比する六二(同人の時の主人公)と志を同じくすることを強く欲するが、六二は九五に強く惹かれているので、九三は全く歯が立たない。
 それでも何とか六二と志を通じたいと強く欲する九三は、九五を抹殺しようと企んで九五の隙(すき)を窺(うかが)い、素知らぬふりして密(ひそ)かに丘に登り兵士を草むらに隠して九五を抹殺すべく観察する。ところが、何年経っても兵を興(おこ)すことはできないのである。
象曰、伏戎于莽、敵剛也。三歳不興、安行也。
○象に曰く、戎(つわもの)を莽(くさむら)に伏(ふ)すとは、敵(てき)剛(ごう)なれば也。三歳まで興(おこ)らず、安(いずく)んぞ行かん也(や)。
 小象伝は次のように言っている。六二と志を通じたいと強く欲する九三は、九五を抹殺しようと企んで九五の隙(すき)を窺(うかが)い、素知らぬふりして密(ひそ)かに丘に登り、兵士を草むらに隠して九五を抹殺すべく観察する。
 正面から九五を討っても勝ち目はないからである。ところが、何年経っても九三は兵を興すことはできない。このような不義が実行されるはずがないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)才能と力に任せて、冷静に対処しようとせず、無謀にも大きな事業を企画するが、途中で力尽きて止めてしまう時。
○商売にあっては、僅かな資本金で、大金が必要な営業活動に着手し、散々苦労するけれども、結局、苦労は報われることなく、資本金を失うことになる。苦労するけれども、成功しない時である。
○怒りを抱いて発憤して、大衆を扇動する。
○善からぬ計画を胸に秘めて、他人を妨害しようとする。
○他人が仲よくしていることを恨めしく思う時。
○時間をかけて計画したことが原因となって、何事もギクシャクする。
○屯田兵(平時は農業を営みながら軍事訓練を行なって、戦争のときには軍隊の一員となる兵士のこと)に関する時である。
○悪知恵が働くことが、災いとなって財産を失う。
○他人の苦労を引き受けることがある。