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易経(周易)を読み解く 七十(風地観 初二三)

易経(周易)を読み解く

初六 ――‥ ‥‥‥ 之卦 四二風雷益
初六。童觀。小人无咎。君子吝。
○初六。童(どう)觀(かん)す。小(しよう)人(じん)は咎(とが)无し。君子は吝(りん)。
 初六は柔弱な性格で最下に居(お)り、至誠な心と厳粛な態度で民(人々)を教化する九五の天子(トップ)から最も遠く離れている。それゆえ、子供のように表面的・短期的・一面的にしか物を観ることができない。これは庶民の常であるから、咎められるようなことではない。だが、人の上に立つ者がこのようにしか物を観られないとすれば恥ずべきである。
象曰、初六童觀、小人道也。
○象に曰く、初六の童(どう)觀(かん)は、小(しよう)人(じん)の道也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。初六が子供のように表面的・短期的・一面的にしか物を観ることができないのは、大局観がなく近(きん)視(し)眼(がん)的(てき)にしか物を観られない小人(庶民)の常(つね)だから、咎めることはできないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)世のため人のために事業を開始する時。貴方の心がけ次第で、貴方が属する社会の運命が決まる。身分が低い者は、目先のことに追われても仕方ないが、一定の地位に在り、事を成し遂げようと思っている者は、時勢と世論の動向をよく観て、見識に基づき長期的・根本的な切り口で対応しようとしなければ、大いに恥をかく。
○陰柔な性質を有する人々が内部にいる組織は、観察する視点が狭いので全体が見えない。目先に囚われる時である。
○遠くまで見通せない。耳目聡明ではない。君子は恥じるべき。
○人を騙して、理屈の通らない財産を貪る。
○密かに私財を貯えて、上司や親の目を欺こうとする。
○小人が占ってこの卦爻が出たら、虚偽で人を惑わすことになる。

六二 ――‥ ‥‥‥ 之卦 五九風水渙
六二。闚觀。利女貞。
○六二。闚(き)觀(かん)す。女(じよ)の貞(てい)に利(よろ)し。
 陰柔六二は至誠な心と厳粛な態度で民を教化する九五の天子(トップ)と遠く離れているので、門の間からそっと外をのぞき観ることしかできない。女(下卦坤)の道を固く守って素直に九五の天子(トップ)に順うが宜しい。
象曰、闚觀。女貞、亦、亦可醜也。
○象に曰く、闚(き)觀(かん)す。女(じよ)の貞(てい)は、亦(また)、醜(は)ず可(べ)き也。
 小象伝は次のように言っている。素直に九五の天子(トップ)に順うが宜しいとはいえ、君子たる者、門の間から外をのぞき観ることしかできずに、ひたすら素直に順うだけでは実に恥ずかしい限りである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)心が待ち焦がれて、軽率に動いて失敗する。立派なお寺で修行した立派なお坊さまに謁見して、恐れおののく時である。常に学問を怠って見識を磨かなかったからである。このようになることを避けるには、言葉は慎み、行いを正して、他人から侮(あなど)られることを防がなければならない。以上のようであるから、小さな事なら実行してもよいが、大きな事は実行してはならない。
○幼い子供や女性のような見識しか持てない。
○不正を恐れて、中庸の德を身に付けようとする。
○勤勉に事を為して立身出世する。

六三 ――‥ ‥‥‥ 之卦 五三風山漸
六三。觀我生進退。
○六三。我が生(せい)を觀(み)て進(しん)退(たい)す。
 六三は柔順不正で下卦の最上、上に進むか下に退くかという境(さかい)目(め)に居て、出処進退を熟慮している。己の才能や人德、残した功績をよく省(しよう)察(さつ)し、天下の時勢や身近な環境を見極めて、出(しゆつ)処(しよ)進退を決定するがよい。
象曰、觀我生進退、未失道也。
○象伝に曰く、我が生を觀(み)て進退すとは、未(いま)だ道を失わざる也。
 小象伝は次のように言っている。己の才能や人德、残した功績をよく省(しよう)察(さつ)し、天下の時勢や環境を見極めて、出(しゆつ)処(しよ)進退を決定すべし。
 六三の段階では、未(いま)だ道を得るには至らないが、道に外(はず)れる心配はないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)貴きと卑しきの境目に居て、大いなる観の時に中る。時の宜しきを計り、自省して、是非善悪を明らかにし、進退を決定するべきである。物事をやりっ放しにならないように注意し、よく勉強して、思いやりの気持ちで人に接すれば、必ずや幸福を招き寄せる。
○自分が為し遂げようとしている事業の成否を冷静に判断して、決行するかしないか、進退を決定するべきである。
○自分の本業が何であるかをよく考えてから動くべきである。
○「温故知新」。古来から伝わる法則を将来に応用するべきである。