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易経(周易)を読み解く 七十(風地観 初二三)

2021年12月2日

初六 ――‥ ‥‥‥ (風地観) 之卦 四二風雷益

初六。童觀。小人无咎。君子吝。
○初六。童(どう)觀(かん)す。小(しよう)人(じん)は咎(とが)无し。君子は吝(りん)。
 初六は柔弱な性格で最下に居(お)り、至誠な心と厳粛な態度で民(人々)を教化する九五の天子(トップ)から最も遠く離れている。それゆえ、子供のように表面的・短期的・一面的にしか物を観ることができない。これは庶民の常であるから、咎められるようなことではない。だが、人の上に立つ者がこのようにしか物を観られないとすれば恥ずべきである。
象曰、初六童觀、小人道也。
○象に曰く、初六の童(どう)觀(かん)は、小(しよう)人(じん)の道也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。初六が子供のように表面的・短期的・一面的にしか物を観ることができないのは、大局観がなく近(きん)視(し)眼(がん)的(てき)にしか物を観られない小人(庶民)の常(つね)だから、咎めることはできないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇世のため人のために事業を開始する時。貴方の心がけ次第で、貴方が属する社会の運命が決まる。身分が低い者は、目先のことに追われても仕方ないが、一定の地位に在り、事を成し遂げようと思っている者は、時勢と世論の動向をよく観て、見識に基づき長期的・根本的な切り口で対応しようとしなければ、大いに恥をかく。
○陰柔な性質を有する人々が内部にいる組織は、観察する視点が狭いので全体が見えない。目先に囚われる時である。
○遠くまで見通せない。耳目聡明ではない。君子は恥じるべき。
○人を騙して、理屈の通らない財産を貪る。
○密かに私財を貯えて、上司や親の目を欺こうとする。
○小人が占ってこの卦爻が出たら、虚偽で人を惑わすことになる。

以下省略。次の書籍をご覧ください。