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六十四卦の概要 坤為地 水雷屯

2023年3月7日

二坤(こん)為(い)地(ち) ☷ ☷

 上卦下卦とも「乾☰」で成る「乾為天」の次は「坤為地☷☷」である。坤為地は上卦下卦とも「坤☷」で成る。坤は地・大地である。宇宙空間に無数ある惑星の大地である。ここでは地球と云う惑星に特定して考察していく。宇宙で起こりえるあらゆる物語は宇宙の根源的なエネルギー(元氣)の発動から始まる。これが「乾為天」の造化の作用である。「坤為地」はその乾為天が発したエネルギー(元氣)を何の疑いもなくそのまま素直に受け容れる。
 陽(⚊)と陰(⚋)の関係において、陽(⚊)の役割は陰(⚋)に向かってエネルギーを発することである。そのエネルギーには目的がある。その目的を理念・ビジョン(構想)・使命などと名付ける。目的を持たないエネルギーは陰(⚋)に受け容れてもらえない。それゆえ、陽(⚊)の役割は目的、すなわち「理念・ビジョン(構想)・使命」を明確に定めることである。陽(⚊)の働きを全うするためには確固たる信念、志、哲学などを持たなければならない。その信念、志、信念に基づいて目的を明確に定めるのである。それができなければ陽(⚊)の資格はない。陽(⚊)の資格がない陽(⚊)が発するエネルギーは陰(⚋)に受け容れてもらえないので彷徨い雲散霧消して物事は成就しない。 以下省略

三水(すい)雷(らい)屯(ちゆん) ☵ ☳

 乾為天(☰☰)と坤為地(☷☷)が交わって何かが産まれ出ようとしているが、産まれそうで産まれない。それが水(すい)雷(らい)屯(ちゆん)(☵☳)の時である。上卦坎(☵)は産まれそうで産まれない困難な状況を表しており、下卦震(☳)は困難な状況の中で産まれよう産まれようとして動いている様を表している。
 水雷屯の時はいくら頑張っても結果は出ない。すなわち、水雷屯の時の中で結果を出すことはできない。結果は水雷屯の時が終わらなければ出ないのである。水雷屯の上卦坎(☵)と下卦震(☳)が入れ替わると雷(らい)水(すい)解(かい)(☳☵)となる。坎(☵)を自然に当て嵌めると水である。水を雨とすれば、水雷屯の時には上にあった雨が雷水解の時には下にある。すなわち、水雷屯の時には降らなかった雨が雷水解の時になれば降ることになる。つまり、水雷屯の時に頑張れば雷水解の時に結果が出るのである。だが、闇雲に頑張っても結果は出ない。初爻が頑張って初めて結果が出るのである。けれども、初爻は卑しい身分なので自分から「わたしが頑張ります!」と言うことができない。誰かが初爻に「おまえが頑張れ!」と命令するしかない。命令するのは水雷屯の時のトップである五爻の役割である。けれども五爻と初爻とは応じていない。「さてどうすればよいか?」。これが水雷屯の時である。 以下省略